総額24億円詐取で逮捕の元JTB子会社社員 カジノで億単位の豪遊 小川泰平氏が直撃

田村容疑者が被害者に持参した現金。目の前に置かれた札束で相手を信用させていた
昨年11月、直撃取材に応じた田村泰暢容疑者(提供・小川泰平氏)
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 架空の外貨両替を持ちかけ、出資金として現金1000万円をだましとった詐欺の疑いで8月8日に栃木県警に逮捕された元JTB子会社の社員田村泰暢(よしのぶ)容疑者(49)について、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は10日、デイリースポーツに対し、同容疑者がその大半を韓国のカジノなどで使い、一晩で数千万円をかけるなど億単位の豪遊をしていたことを独自取材を通して証言した。

 調べによると、田村容疑者は2016年3月に前橋市内で会社役員の男性(58)に「円を米ドルに両替すれば会社に手数料が8%戻され、お客には4%が入る」などとだまし、現金1000万円をだまし取った疑い。同容疑者は10年ごろからJTBの顧客や知人ら少なくとも51人に同様の出資を持ちかけ、総額24億円以上をだまし取っていたという。

 小川氏は昨年4月から被害者からの相談を受け、11月に田村容疑者を直撃。当初、詐取した金額の使い道について同容疑者は「ジュース代程度」と話していたが、小川氏から海外のカジノに通っていた事実を突きつけられると「行っていた」と認め、「期限が来たら(顧客に金を)返すつもりだった。現在は返済する能力がない」と頭を下げた。

 だまし取った金は、既に差し押さえられた自宅の豪邸、高級外車などのほか、大半を海外のカジノで使っていた。逃走後も韓国のカジノへの出入りが数回確認されており、小川氏は「マカオにも行ったことがあるようですが、ソウルや釜山が断然多い。航空機はビジネスクラス、ホテルはスイートルームをカジノから用意されているVIPの客だったようです。一晩で使っていた金額は数千万円。億以上の金額をカジノに使っていたことは間違いない」と明かした。

 被害者は「手数料」として田村容疑者が持参した現金の札束を見せられて信用していた。また、JTBの受領書を使い、同社から領収書も送られていたことで、その信用は確かなものとなったようだ。小川氏は「大手旅行会社の大看板があり、田村容疑者のぼくとつとした語り口や、添乗員も務めていたことで信用され、口コミで被害が広がっていたようです」と指摘した。

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