「自由研究」のネタ探しへGO!「見る、さわる、体験する」京都鉄道博物館
今も昔も小学生が頭を悩ませる夏休みの宿題といえば「自由研究」が代表格。“テーマが自由”なだけに、何をしたらいいのか分からなくなった経験はないだろうか。大人になってもネタ探しは、ちょっと難しい。そんな悩める親子におすすめしたいスポットが、京都鉄道博物館(京都市下京区)だ。
同館は2016年4月に「地域と歩む鉄道文化拠点」をコンセプトにオープン。蒸気機関車から新幹線まで、なんと53両の貴重な車両を保存している。「見る、さわる、体験する」をテーマにしており、子どもや鉄道好きだけでなく、一般の大人でも知的好奇心をかきたてられるような博物館だ。
さて自由研究のネタだが、副館長の藤谷哲男さんが特におすすめするテーマが蒸気機関車。同館では扇形車庫に蒸気機関車を20両も保存しており、実際に乗り込んで操縦席などに触れることもできる。「なぜ蒸気機関車が走らなくなったのか。蒸気機関車が現在のようなディーゼルカーや電車に変わったのはなぜなのか。歴史や社会、労働環境などいろいろな面から探ってみるのは面白いのでは」とのアドバイスだ。
藤谷さんのもう一つのおすすめは「鉄道に関わる仕事」という視点。同館では“モノ”の展示に終わらず、安全に電車を走らせるために必要な裏方の仕事も紹介している。保線係員が線路点検で使用する軌道自転車に乗れるコーナーが常設されており、さまざまな仕事にふれる「鉄道おしごと体験」も土日祝日を中心に開催。このような催しに参加し、体験リポートをまとめてみるのもいいだろう。
総務企画課の上田和季さんは「車両のデザインについて、今と昔の比較をしてみるのもよいのでは」と耳打ちしてくれた。普段乗っている電車と、同館に展示してある昔の電車はどこが違うのか。色、デザイン、素材、窓、車内の機能などを表にして対比させると面白い。今の子どもたちなら、昔の車両に扇風機や灰皿が設置されているのを見て驚くかもしれない。それらがなくなった理由や、車体の色や素材が変化した経緯などを探っていけば、より深みのある研究になりそうだ。
ここに挙げたのはほんの一例で、電車が動く仕組みや鉄道の歴史、遮断機や信号、橋の構造など、博物館には自由研究のネタがいくらでもある。お盆休みに、悩めるお子さんと楽しみながらネタ探しをしてみてはいかがだろうか。利用案内やイベント情報は「京都鉄道博物館」ホームページで確認を。(デイリースポーツ特約記者・山王かおり)