ドン・ファン全財産を田辺市に寄付 5年前の遺言状に自筆で明記、22歳妻は?

 “紀州のドン・ファン”こと和歌山県田辺市の資産家で酒類販売会社社長、野崎幸助さん(享年77)が急性覚醒剤中毒で死亡した事件を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が14日、デイリースポーツの取材に対し、野崎さんが5年前に書いた遺言状で遺産の全額を田辺市に寄付すると明記していたことを明かした。

 小川氏は野崎さんの遺言状を預かっていた男性を8月12、13日の両日に取材。その知人の男性は5年前、野崎さんが前妻と離婚した後に作成した遺言状を預かっていた。

 遺言状には「全財産を田辺市に寄付する」旨が自筆で書かれていた。男性は「野崎さんは離婚後、子供もいないことから、遺産の相続先が仲の悪い兄弟になるため、それを避けるために『全財産を寄付する』と遺言状に記したのではないか」と、小川氏の取材に答えた。

 では、この遺言状が有効であれば、今年再婚した22歳妻の遺産相続はゼロになるのだろうか。法律上、妻として自身の分を請求すればそのようにはならず、「遺留分」を相続することになる。請求しなければ遺産は入らないが、請求すれば遺留分として相応の額を受け取ることができる。

 現在、この遺言状は、野崎社長とも交友のあった弁護士が家庭裁判所で証拠保全のため「検認」の手続きをしている。今後の動きが注目される。

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