忍者は、実は手裏剣を使わなかった!では、何を使っていたのか?

 山田雄司監修「そろそろ本当の忍者の話をしよう」
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 7月に「年収945万円にもかかわらず忍者不足。三重県伊賀市が忍者を募集」という誤報がSNSを中心に世界を駆け巡った。そのため、同市役所には海外から問い合わせが殺到、同市の岡本栄市長が否定の記者会見を開く、異例の事態までに発展した。

 今回の一連の騒動は思わぬ波紋を呼んだが、外国人の「忍者」への関心の高さがうかがえた。ただ、日本人で、忍者に関して説明ができる人は意外と少ない。

 忍者研究の第一人者である三重大・山田雄司教授は、今月発売の自身が監修をつとめる書籍で「忍者は、実は手裏剣を使わなかった」と記した。忍者というと「ドロンする」なんて言葉が使われるように、白煙をあげて消える、手裏剣で戦う、というのが一般的なイメージだ。

 では実際、忍者は「手裏剣」を使わず何を使っていたのか?山田教授にこの件をインタビューすると「手裏剣自体は16世紀はじめには存在していたことが確認できますが、忍者が使ったという史料は見たことがありません。武士たちが武芸の一つとして手裏剣を打つ練習を行っていたようです。物を投げるとしたら、石を投げる方がよっぽど強力で、持ち歩く必要もないですしね。忍者は戦闘員のイメージが映画等で強いですが、実は積極的な戦いも好まなかったのです。あくまで防備がメインでした」と語った。

 フィクションの世界にすっかり洗脳?されている私たちは、実在した忍者たちのことを実は知らないのかもしれない。山田教授監修の書籍『そろそろ本当の忍者の話をしよう』には、戦国時代を生き抜いた忍者、江戸時代に藩の財政難にリストラされた忍者、古文書から知る忍者の行動記録など、多くの忍者の真実が掲載されている。実際の忍者は、人を殺したりせず、未然に争いを避けるための諜報活動がメインだったことが、この1冊からは見えてくる。

 2020年東京オリンピックを前に、今一度、NINJAを勉強しておくのも必要かもしれない。

 書籍『そろそろ本当の忍者の話をしよう』(発行元/ギャンビット 監修/山田雄司 1500円+税)はAmazonで8月25日発売。

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