男女46人夏物語~洋上の婚活クルージングはセレブだけではなかった!奮闘した舞台俳優
夏の終わり、独身の男女46人が豪華客船ダイヤモンド・プリンセスで「洋上の婚活クルージング」を楽しんだ。8月22~27日の5泊6日、横浜発着で青森などを巡る船旅で婚活を体験した参加者の結婚観を聞いた。
旅行会社のIACEトラベルが企画。参加費が“ワリカン”だった過去2回は男女共に50代が多かったというが、今回は女性の年齢層を40歳以下に設定してオーディションを行い、合格者は無料参加。男性の対象年齢は60歳以下だが、女性の費用を負担した。審査は結婚情報センター「NOZZE」の担当者らと共に行われ、結婚への本気度、コミュニケーション能力などが重視されたという。
女性の参加者は24人。千葉県在住の「ミキ」さんは34歳の自営業。栃木県在住の「さっち」さんは30代後半の会社員。ともに結婚したい理由は「30代のうちに子供を生みたい」。男性のタイプも「一緒にいて楽な人。年齢にはこだわらない」で共通した。「年収や実家のことは考えていません。最初は友人としてお付き合いできる方と自然の流れで」(ミキさん)。「相手の男性には定職があって、その仕事を続けていただけるなら収入とか肩書きにはこだわりません」(さっちさん)。共に結婚後も仕事を続ける意向。自立した意識を持つ女性だった。
男性の参加者は22人。費用は女性の旅費7万2000円を含み、最も安い相部屋(男性同士)で17万8000円、最も高価な個室が49万8000円と幅広く、各種ある部屋で中間を取っても20~30万円。経済力のある男性像を描きながらプロフィルを見ると、確かに年収1600万円という50代後半の医師もいたが、一方で「舞台俳優」と書いている人に目が止まった。
芸名・賢茂(さかしげ)エイジ、44歳。「公演収入だけだとまだ生活が厳しいので、アルバイト収入も合わせて生活しています」。参加費用をどう捻出したのか尋ねると、「今まで貯蓄してきたお金を払いました。高いハードルのところに参加してみようと。手頃な参加費のイベントだったら、様子見で終わってしまいそうで」。そう覚悟を口にした。
船旅では、毎夕食ごとにテーブルでの席替えに配慮して会話の機会を作り、天体観測やヨガなどで触れ合う時間を設けた。その結果、13組のカップルが誕生。その中に賢茂さんも含まれていた。「みなさん素敵な方ばかり。いろいろ考えるのはやめて気持ちでぶつかろうと。舞台上ではほとんど緊張しないのに、告白タイムではむちゃくちゃ緊張しました」と振り返りつつ、「スタートラインに立った。お互いを知るのはこれからです」と、真摯(しんし)に前を見据えた。
添乗したIACEトラベル・クルーズ事業部の南和明部長は「いかに男女の接点を作れるかを考えました。男性22名で13組カップルはすごい事だと思います。5泊掛けてのクルーズ旅行ならではの婚活だからです。このツアーでカップルになった人には船旅のリピーターになって欲しい」と手応えをつかむ。次回は19年3月予定だ。(デイリースポーツ・北村泰介)