悲劇につながった警察官のミスとは?仙台の交番襲撃事件、小川泰平氏が説く耐刃防護衣の重要性 

 仙台市宮城野区の交番で当直勤務中の清野裕彰巡査長(33)=警部補へ2階級特進=が大学生相沢悠太容疑者(21)に刺殺された事件から一夜明けた20日、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏がデイリースポーツの取材に対し、「被害者の清野警部補には本当に気の毒だが、警察官として一つの大きなミスがあった」と指摘した。

 それは「耐刃防護衣」を着用していなかったことだった。

 小川氏は「耐刃防護衣とはベストのように着用し、刃物等の凶器に耐えられるものです。それを着けておられなかったということで刺されてしまった。亡くなられた方には申し訳ないですが、警察官として着用しておくべきだったと思います」と、この防護衣がいかに必需品であるかを力説した。

 また、47歳の男性巡査部長が刃物を持って向かってきた相沢容疑者にけん銃の弾3発を発砲し、死亡させたことについて、小川氏は「3発が多いという声もあるようですが、私は適正だったと思います」と指摘した。

 小川氏は「最初は刃物を捨てさせるために威嚇で一発撃ったが、それでも犯人は刃物を捨てず、後にモデルガンと分かったがマシンガンのようなものも手にしていた。さらに、同僚が血を流して倒れているという緊迫した状況にあったことを考えると、5~7メートルの距離であったとしても、必ずしも手足に当たるとは限らない」と分析した。

 交番襲撃事件は今年6月に富山県で発生したばかり。過去にも繰り返されており、その目的の大半は「けん銃強奪」だった。小川氏自身も1981年11月、神奈川県警での交番勤務時代に経験している。同氏は「5人組の男性に襲われ、同僚がけん銃ホルダーのふたを開けられ、奪取されそうになったが、私と同僚で何とか取り押さえたが、私の制服は血まみれでした」と狙われやすい交番勤務のリスクを指摘し、改めて耐刃防護衣をはじめとする事前の予防策の大切さを説いていた。

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