ドンファン事件の捜査は進んでいる 小川泰平氏が改めて検証
“紀州のドンファン”こと和歌山県田辺市の資産家で酒類販売会社社長、野崎幸助さん(享年77)が5月24日に急性覚醒剤中毒で死亡した不審死を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が21日、デイリースポーツの取材に対し、改めて事件をさまざまな角度から検証した。
30億円ともいわれる野崎さんの遺産。田辺市に全額寄付するという遺言状が有効となった場合でも、野崎さんの妻で22歳のSさんは遺留分減殺請求で半分の15億円を手にすることになる。小川氏は「野崎さんの会社を清算しなければならず、従業員の退職金もその中から払われるでしょうから、実際の金額は(30億円より)少ないと思います。それでも残った金額の半分が妻に入ることになる」と指摘した。
そのSさんについて、小川氏は「(9月)20日に田辺市にいたようですが、21日に自宅のある東京に戻ったようです。お墓の場所も決まり、月に数回、東京から田辺に来ている。(野崎さんの)会社の清算の部分で話をしにいっているのではないでしょうか」と推測した。墓地は7月に購入。田辺湾が見下ろせる山の中腹にあり、1区画(15万円)を2区画購入した。関係者によると、墓石の購入は来年になる見込みという。
もう一人、注目された野崎さん宅の60代家政婦は8月末から東京・銀座のスナックでアルバイトしている。オーナーは別にいて、家政婦はバイトのホステスとして「小雪」の源氏名で勤務。約3週間がたったが、小川氏の取材に対して「ババアがやってるお店ですから、ぼったくりはしません。すごくリーズナブルなお店です」などと宣伝する余裕も見せているという。
野崎さんの不審死が報じられて4カ月近く。報道が過熱する中、真相究明の糸口は見えないまま時間が過ぎ、22歳妻も家政婦もそれぞれの道を歩みつつある。この件も注目度が薄れてきたように見えるが、取材を続けている小川氏は「誰が犯人かは決められないが、ある程度、捜査は進んでいる」と明言。「格好悪いことを嫌う野崎さんがあの姿(下半身裸)で自殺するとは考えられない」と他殺の可能性をにらみ、今後の進展に含みを持たせた。