注目される樋田容疑者の所持品とは… 黙秘の理由は?小川泰平氏が指摘
大阪府警富田林署から逃走した無職樋田淳也容疑者(30)と自転車で同行し、山口県警に占有離脱物横領容疑で逮捕された男性(44)が処分保留で釈放された後に会見した内容を踏まえ、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は10日、デイリースポーツの取材に対し、男性の証言から浮かび上がった樋田容疑者の心理を検証した。
同行していた男性は樋田容疑者について「子どもっぽく、よくしゃべるので、うっとうしいと思うようになった」と印象を語った。小川氏は「一般的に、窃盗犯の中でも空き巣などの泥棒は人と接することを好まないのですが、ひったくりのように、相手の顔を見て(自分の)姿を現す泥棒は人と接することを恐れない。樋田容疑者は、ひったくり犯の特性を持っていると思います」と分析した。
大阪府警はこの日、同容疑者の所持品のうち、窃盗などの被害品の可能性がある36点をホームページで公開し、情報提供を呼び掛けた。小川氏は「大半が被害品だと思われるが、余罪が出ることで一つでも多く立件したいという警察の強い意志を感じる」と指摘した。
所持品の中で、同氏はワンセグのテレビに注目。「自分に関する警察の動きを確認したかったのでしょう。ふくらはぎの入れ墨が公開されたと知った容疑者は、入浴時にテーピングして分からないようにしていた。大阪府外に出てからも、自分についての有力情報が報じられていないことを確かめながら逃走していたと考えられます」と推測した。
樋田容疑者は9月29日に山口県周南市の道の駅で万引をしたとして窃盗容疑で現行犯逮捕されたが、なぜリスクを冒してまで万引きをしたのかという疑問が残る。小川氏は「窃盗犯によくあるが、万引きを犯罪とは思わず、軽く考えている者が多い。人の出入りの多い道の駅だったこともあり、絶対に捕まらないという自信と万引きの慣れがあったのだと思う」と分析した。
樋田容疑者が逮捕後も黙秘を続けていることについて、同氏は「逃走翌日には服を着替えていたことから、当初は逃走を手助けした者がいるのではないか。逃走経路を明かすことで、支援者や仲間の存在も浮上してくる。そうならないために『自分は何もしゃべってないよ』というメッセージをその者たちに送っている可能性が高い」と指摘する。
さらに小川氏は「警察は今回、同行した男性への聴取から9月中の逃走経路に関してはある程度裏付けが取れるのではないか。逃走直後の行動、逃走中の余罪に関しても解明することが非常に重要」と進展を予想した。