戦国合戦を“ガチ体験” 甲冑に身を包んで、いざ戦場へ
戦国時代の合戦をリアルに再現し、国内外で注目を集める「国際ガチ甲冑(かっちゅう)合戦in三重」は11月3、4日に“決戦”の火ぶたが切って落とされる。今回は「砦攻め」と「川中島の戦い」がテーマ。武術家や格闘家、一般参加者が60人対60人に分かれ、ガチバトルを展開する。戦いの行方やいかに。
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目玉は3日に戦国テーマパーク「伊勢・安土桃山城下街」で対峙する荒砥城の「砦攻め」だ。守る武田軍に攻める上杉軍。このイベントを主催する日本甲冑合戦之会(大阪市城東区)の横山雅始代表(64)がポイントを解説する。
「定説では守る側に対し、攻撃側に何倍かの兵力が必要とされてきましたが、果たして…。今回は同数で戦ってみてどうなるか。砦の有効性なども検証してみたい」
4日は「志摩スペイン村」を舞台にした戦国定番「川中島の戦い」がテーマ。同数で正面衝突した場合に一体どんな戦いになるのかも検証する。もちろん、結果は神のみぞ知る、だ。
そもそも「ガチ甲冑合戦」は国内外の武術家や格闘家が甲冑をまとい、集団戦や一騎打ちを再現するもの。これまで「桶狭間の戦い」「大阪夏の陣」など大小20回再現され、ときに勢い余って“本気”になることもあったという。
合戦の主な目的は戦国時代の武器や武術、戦法などの検証及びシリアスな歴史の再現だ。横山さんは言う。
「現在伝わっている武術は9割が江戸時代のもので実は戦国時代のことはあまり分かっていません。だから合戦を再現することで武術のルーツを知り、どんな戦いをしていたのかを探りたかった」
実際、この5月に再現した「桶狭間の戦い」では織田信長軍が使ったとされる6メートルの長槍を検証。長すぎて扱いづらい代物であることが分かったという。
「それと日本の歴史祭りは“ゆるキャラ”が全盛。しかも登場する武将の時代が平気でズレたりしている。これでは海外の人に誤解を生みかねない。本物に近いものを再現しようと思った」
いざ、甲冑を着けて戦うとなるとコストも掛かったが、創意工夫で一式1万5000円に。開催場所とスポンサー探しも大きな課題だったが、海外での“忍者人気”と国内での“歴女ブーム”も相まって注目を集めており、参加費は無料となっている。
「今回の参加者の30%が海外から。女子の割合も30%」とのこと。意外なほどの多国籍軍で女性人気があることも分かった。
「これからは合戦を企業のセミナーに使ってもらったり、武器をより安全なものにして裾野を広げていきたいですね」と横山さん。 一般参加者は槍隊の将兵として体に槍が当たらないよう安全に配慮されているとのことで参加者募集は10月20日まで。一度、戦国を“ガチ体験”してみてはいかがだろう。(デイリースポーツ特約記者・山本智行)
◇申し込み・イベント詳細 http://samuraijp.xsrv.jp/event.html