橋本健被告の執行猶予4年のワケ 密室で一緒「一線越えず」は言い訳 小川泰平氏指摘
政務活動費(政活費)約690万円をだまし取った詐欺罪に問われた元神戸市議の橋本健被告(38)が神戸地裁から懲役1年6月、執行猶予4年の判決を言い渡されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は29日、デイリースポーツの取材に対し、執行猶予が「4年」となった背景を指摘した。
小川氏は「執行猶予3年かと思っていた」という。それが4年になった要因として、同氏は「関係者に嘘の供述をしてくれるようメールで頼んでいたりなど、証拠隠滅の工作をしていた。本人が詐欺という犯罪を認識した元での行為には悪質性がある。さらに当時は議員という立場にあった背景において、執行猶予の期間が1年程度長くなったと考えられる」と検証した。
橋本被告は昨年7月、自民党の今井絵理子参院議員(35)との不倫疑惑が報じられ、世間を騒がせた。同年7月26日、橋本被告は会見で「一線は越えていない」「不貞には当たらない」などと釈明して物議をかもした。
小川氏は「離婚前に(不貞行為を)認めると、妻から訴えられる可能性がある。詐欺に関する質問では問答を想定していなかったからか、脂汗を流していたが、この件に関してはそういう所を考えて、『一線を越えていない』という答えを強調していたのでは」と分析。ホテルでの宿泊なども報じられたが、仮に民事裁判になったとして、この主張は認められるのだろうか。
小川氏は「不貞行為についての民事の裁判ではホテルの出入りを写真に撮られていても、中(室内)のことは分からないとして、『何もやってない。話だけした』と、みなさん同じようなことを言います。だが、裁判例では、2人で個室(密室)に2時間以上入っていれば、裁判で(不貞行為が)認められることは多分にある」と一般論として説明した。
民法では“不貞”とされる性的行為そのものの証拠は必要なく、一般的な感覚をもって不貞行為が推定できれば、裁判では認定される。小川氏は「“一線を越えていない”は言い訳としか聞こえない。それはダメですよと、実際に裁判例で出ています」と解説した。