「映画刀剣乱舞」実技指導サポートの専門家が主催 海外メディアも注目の戦国甲冑バトル

 戦国時代の合戦をリアルに再現する「国際ガチ甲冑合戦in三重」が11月3、4日に伊勢志摩を舞台に開催された。フランスからの招待者を含め、男女120人が参加しての迫力満点ガチバトル。注目度は高く、NHK、日本テレビはもちろん、海外メディアも取材に訪れたほどだった。

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 想像をはるかに超える光景だ。日本の甲冑をまとった兵士は集団となるとなんとも不気味で勇壮そのもの。不覚にも戦国時代へタイムスリップしたような錯覚に陥った。初日は、戦国テーマパーク「伊勢・安土桃山城下街」での「砦攻め」だ。守る武田軍に攻める上杉軍。竹製の槍とはいえ、両軍の槍が激しくぶつか合い、けたたましい音が鳴り響く。そうかと思えば、弓矢や印字(投石)による空中戦も展開された。

 同行したカメラマンは当初のんきに構えていたが、いきなり戦場カメラマンに。槍の先が自慢のリーゼントヘアをかすめ、慌てて安全な場所に移動したほどだった。

 「ホンマ、ビックリしましたわ。まともに当たってたらと思うとゾッとしますわ」

 しかし、驚くのはまだ早い。クライマックスは武術家、格闘家による一騎打ち。特にフランスから招待された武術家同士による対決は迫力満点だった。勢い余って、規制線を越え、もつれ合いながら場外乱闘に発展する場面も。2日目は舞台を「伊勢スペイン村」に移し、戦国の定番「川中島の戦い」をリアルに再現。同数で対峙し、真正面から何度も激しくぶつかり合った。

 このイベントの趣旨のひとつは戦国時代の戦術や武器などを実際に戦って検証すること。主催した日本甲冑合戦之会(大阪市城東区)の横山雅始代表(64)は「砦攻めは定説では守る側が圧倒的に有利とされてましたが、弱いところの一角を崩せば、必ずしも攻撃側が不利ではないことが分かった」と分析。「正面衝突では多少の実力差があっても同数だと結果は同じ。史実通りに両者ダメージがあり、痛み分けでした」と2日間の激闘を振り返った。

 初日の夜には参戦したフランス人、アメリカ人、中国人らとの国際交流パーティーも開催された。これはヨーロッパを中心に30年以上にわたって海外で武術、護身術の指導にあたっていた横山さんの人脈がいかされてのもの。「今回はフランスからでしたが、ブラジル、スペイン、イタリアからも来てくれている。国内外からの戦国ファンが集まることで日本文化が理解され、地域が活性化されることを願ってます」と横山さんは話す。

 国内の参加者は非日常性を楽しみに来た様子。3割ほどが女性で京都から参加したOLは「会社でむしゃくしゃしたことがあり、それで応募しました。気分スッキリ」と笑顔で会場を後にした。

 横山さんは来年1月に公開予定の話題作「映画刀剣乱舞」で実技指導をサポートするなど多方面で活躍中。多忙を極めるが、次回の「ガチ甲冑合戦」は来年5月、愛知県下を予定し、岡崎城が有力候補に挙がっている。(デイリースポーツ特約記者・山本智行)

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