今年の「ワイン電車」は人気漫画「神の雫」とコラボ 近江鉄道の企画列車
関西の企画列車のはしりと自負する近江鉄道(滋賀県彦根市)の「ワイン電車」が15日から走り始めた。12月8日まで運行。4回目を迎えた今年は何と、ワインを題材にした人気漫画「神の雫」とコラボ。晩秋の近江路を電車に揺られながら、人気漫画ゆかりの6種類のワインとボージョレ・ヌーボーの計7種類を飲み放題で楽しんでみてはいかが。
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電車に乗り込むと、芳醇な香りが鼻をついた。置かれている6種類のワインはどれもこれも「神の雫」に登場したものばかり。ワイン電車は2015年に始まり、今年で4回目となるが、毎年好評だったボージョレ・ヌーボーも今回ばかりは脇役にならざるを得なかった。
人気漫画とコラボした効果は抜群だった。1番電車は定員の58人を乗せ、定刻通り15日午後7時03分に彦根駅を出発。澤本由紀伸・鉄道部長のあいさつが終わると、ワイン祭りが始まった。
テーブルに置かれた飲み放題ワインは赤が4種類と白が3種類。さて、どれからいただこうか。まずはスパークリングワイン「サンテロ・ピノ シャルドネ スプマンテ」で喉を潤す。これは日本で最も人気のある辛口のスパークリングワインのひとつだとか。あとは順番通りに赤のフランス産「フェルナン ラロッシュ ボージョレ・ヌーボー」から白のイタリア産「イル・プーモ ソーヴィニヨン マルヴァジーア」を味わった。
気に入ったのは「ロッソ・ディ・トスカーナ」というイタリア産の赤。なるほど「軽やかで程よい酸味が特徴」という説明に納得だ。もっとも「神の雫」ファンならワインの銘柄をみると、どんなシーンでどんなセリフを言ったのかを思い出し、きっと2度楽しむことができるのだろう。
今回のコラボを企画した近江鉄道・鉄道営業課の古川尊士さん(39)はワインレッドのシャツが似合うナイスガイ。人気漫画との組み合わせだけに権利関係をクリアするのも大変だったと想像するが「これからもハードルの高いものにチャレンジし、喜んでもらいたい」と意気込んだ。
12月1、8日には作品に登場する「本間チョースケ」のモデルとなった本間敦さんも乗車予定だ。本間さんはシニアワインアドバイザーで、イタリアワインの怪人とも称される人物。ワイン通はもちろん「神の雫」ファンにとってもたまらないはずだ。
昼は近江路の紅葉を楽しみ、夜はワイン電車。さらに飲み足らない人には沿線の居酒屋とのコラボ企画もある。ワイン電車は木~土曜日の運行、食事と近江鉄道電車全線乗り放題がついて1人4900円。問い合わせは近江トラベル予約センター(0749-24-8103)に電話を。(デイリースポーツ特約記者・山本智行)