老舗百貨店でアダルトグッズ販売 “いい夫婦の日”に第2弾…再びタブー挑戦の思惑
日本列島を猛暑が襲っていた今年の8月、『老舗百貨店がアダルトグッズを取り扱っている』という、前例のないニュースが話題を呼んだ。タブーに挑戦したのは大丸梅田店。「夫婦愛の最大化を」と狙う同店は、11月22日の“いい夫婦の日”に合わせ、第2弾として再び期間限定店舗を開設する。
アダルトグッズメーカー「TENGA」の協力で開設されるのは、同社が展開する女性向けブランド「iroha」の期間限定ポップアップストア『iroha POP UP STORE』。8月の第1弾は、13日間で約1500人の来場者を記録した。
同ストアは、テレビの朝の情報番組で取り上げられたことで「朝から刺激的なニュースをしている!」と、SNSで一躍話題となった。番組内で母娘がインタビューに気軽に応じる様子が映し出されたこともあり、そのカジュアルな感覚が関心を呼んで来客につながったようだ。
ただ、同百貨店によると、来場者の約8割は女性の1人客で、当初もくろんでいた「夫婦での来店」が1割ほどにとどまったという。そこで「次こそはご夫婦での来店を」と、11月22日の“いい夫婦の日”に合わせて、同ストアの出店を再度要請した。
同ストアは、さまざまなシチュエーションでの来店を想定している。8月の第1弾では、夫婦での来客は女性主導が多かったという。ならば、積極的なパートナーを持つ女性は「見に行ってみようよ!」と男性を誘ってみてもいいだろう。「興味はあるけど、うちのパートナーは奥手だから、正面きって誘うと面食らってしまうかもしれない」と考える女性なら、素知らぬ顔で百貨店にショッピングに行くことを提案し「あの店、何だろう?」と偶然を装うという手もある。
8月のイベント時は「妻に頼まれて買いにきた」という男性客も少なくなかったとのこと。男性から誘うなら「期間限定でこんな店があるけど、何か見てこようか?」と切り出してみたり、クリスマスプレゼントにひも付けするという手もあるかもしれない。
コミュニケーションとは、相手の気持ちを考えることからスタートするもの。きっかけは「アダルトグッズ」という少々刺激的なものであっても「自分のパートナーなら、どんな反応をするだろう?」と、普段以上にパートナーについて考える時間が増えるかもしれない。企画を担当する松井恭兵さんも「夫婦で過ごす時間を見つめ直すきっかけにしてほしい」と期待している。同百貨店が提供しているのは、グッズそのものだけではなく、それを通じたコミュニケーションなのかもしれない。
同百貨店では、夫婦やカップルが来店しやすい雰囲気と同時に、女性の1人客にも配慮。今回は新たに女性専用エリアを設け、誰でも入れるカップルエリアと2分割しているという。場所は、前回と同じ大丸梅田店5階の婦人服フロアで、期間は11月21日から12月25日まで。(フリーライター・綾部綾)