中国人俳優のDV被害女性が告白!なぜ通報できなかったのか? 小川泰平氏が証言
中国の人気俳優・蒋勁夫(ジャン・ジンフー)容疑者(27)が28日、交際していた日本人女性(25)に対する傷害容疑で警視庁巣鴨署に逮捕されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏はデイリースポーツの取材に対し、被害者女性をインタビューした際の証言を踏まえ、「ここまでひどいDVは見たことがない」と実態を明かした。
蒋容疑者は今年10月12日、東京都豊島区内のマンションで交際中の日本人女性に対して顔や腕を複数回殴るなどの暴行を加え、全治4週間の重傷を負わせた疑い。事件後、逃走していたが、11月28日午後、同署に出頭した。容疑を認めている。
同容疑者はモデル出身で中国のテレビドラマや映画で主演するなど活躍。今年4月から日本に語学留学し、この女性とは5月に知人の紹介で知り合い、7月にSNSで交際宣言して同居していた。女性によると、その数週間後からドメスティックバイオレンス(DV)が始まったという。
小川氏がインタビューした女性の証言によると「蒋容疑者はキレやすい性格で理由もなく暴力を振るわれるようになり、10月11日の夜にはその暴力がエスカレート。部屋中が血だらけになり、動けなくなるほど彼に殴られたり、蹴られたりした」という。12日朝、同容疑者が部屋から外に出たすきに、女性は110番通報し、警察官が呼んだ救急車で病院に搬送。顔面、右大腿部、右後頭部、左胸部の挫傷と診断された。警視庁に被害届を提出して受理されていた。
今月20日、蒋容疑者は中国のSNS「微博(ウェイボー)」に暴力行為を認めて謝罪コメントを投稿。中国では同容疑者に対する批判だけでなく、女性への中傷コメントも書き込まれるなど“炎上”する事態になっているという。
小川氏は被害女性への取材を通して「彼女は自分のスマートフォンに入っていた家族や友人の電話番号などの情報をすべて蒋容疑者に消されていた。夜、寝ている時も、彼女が110番しないように、彼がスマホを持って寝ていたそうです。なぜ、もっと早く警察に通報しないのかと思われる人もいるでしょうが、ほぼ24時間一緒で監視されていた。警察に助けを求めようと110番しようとすると、その倍くらいやられて110番する勇気が出てこないと言っていました」と説明した。
また被害女性から、警察に提出された診断書の写しを見せられたが、全治1カ月半程度と記載されていた。当時の被害部位の写真を見せられた小川氏は「ここまでひどいのは見たことがない。(10月12日に)110番した時も、あまりのひどさに警察官も驚き、救急車を呼んだそうです」と明かした。
被害女性は今回の傷害事件以外にも日常的に暴行を受けており、「別の診断書も提出している。髪の毛を20センチくらい切られたこともあり、夜寝ていると、夢の中で私が悪いことをしたといきなり殴られたこともある。室内で小型犬を飼っていたが、その小型犬にも投げつけたり踏みつけたりの暴力があった」と打ち明けた。
今後の動きについて、小川氏は「容疑者は事実は認めているようですが、日常的な暴力も含め事案の究明が必要であり、この1カ月半逃走していたことについても捜査が及ぶ」と指摘した。