「鍋、お預かり致します」 コンビニで見つけた謎の張り紙、真相は…
「鍋、お預かり致します」。山口県内にある、全国チェーンのコンビニ店で、入り口の自動ドア脇に不思議な張り紙を見つけました。自分の身の回りでは、お鍋を持ってコンビニに買い物に行くなんて、想像もできないのですけど、いったい何が行われているのでしょう…。店員さんにお聞きしたところ、本格的な冷え込みが迫るこの時期ならでは、温かい心づかいがありました。
コピー用紙を2枚合わせたものに、大胆な筆文字で書かれた張り紙。真相を電話で店員の方に聞いてみたところ、即答されました。
「ああ、あれは『おでん』です」
-えーっ!鍋を持ってコンビニにおでんを買いに行くんですか?
「はい」
-それってとても珍しいことのように思いますが…。
「いえいえ、この辺ではみなさんしていますよ」
-張り紙にはどこにも「おでん」とは書いていないのですけど…。
「ああ、私たちには普通でしたので…。お客様もみなさんお分かりになられていますし」
◇ ◇
店員の方によると、一度に50個くらい『大人買い』するときに、お鍋を持ってきて購入されることがあるといいます。
「お店の発泡スチロールの容器だと小分けになってしまいますが、大きいお鍋だときれいに盛ることができます。それに鍋だったら、家に持って帰っても、そのまま火にかけて温められますので、便利ですよね」
…なるほど、それは確かに!おでんを購入するお客さんたちを見続けてきたからこそのやさしさが伝わります。でも、それならば、なぜ張り紙は「お鍋持ち込みOK」ではなく、「お鍋お預かりします」なんですか?
「それは、○時に取りに来ます-というお客さんがいれば、お鍋を預かって、その時間にあわせてセットするからです」
うーん、お客さんにおいしく食べてほしいその気持ち…とても素敵です!
ちなみに、お店でおでんを「鍋買い」されるケースは、「時々行っているおでんのセール期間中であれば、1日2、3件はある」とのこと。みなさんどんなタネを購入されているのか聞くと「大根、卵、厚揚げ、牛すじ、しらたきは欠かせません!」とのことでした。(神戸新聞・川上隆宏)