【須田慎一郎のマネー論】来年の日本経済の行方に黄色信号…株価は下落トレンド
さて2019年、日本の景気は良くなるのかどうか…。
そのことを占う上で大きなヒントとなるとされているのが、現時点での株価の動きだ。それというのも株式投資の世界では、株価は半年先の経済情勢を現す“映し鏡”、とされているからに他ならない。
12月に入ってからの株価の動きに関して言うならば、はっきり言って弱気一色、下落傾向を強めているのが実情だ。
その象徴とも言えるようなでき事が、12月19日にあった。この日、ソフトバンクグループの通信子会社、ソフトバンクが鳴り物入りで東証一部に上場を果たしたのだ。ソフトバンクの公開価格は1500円、果たして初値がいくらになるのかにマーケット全体の注目が集まっていたと言ってもいいだろう。通常この種のケースでは、公開価格以上の初値が付くのが一般的だ。
ところが付いた初値が1463円、その後、株価はドンドン値を下げ、終値は1282円と“大暴落”という結果に終わったのだ。
今回のソフトバンクの上場は、日本の証券業界としては今年最大のビックイベント。つまりそのビックイベントは大失敗という形で幕を閉じたのである。これはあくまでも筆者の個人的な見方だが、なぜこんな惨々たる結果に終わったのかというと、決してソフトバンクという会社に何か問題があったわけではなく、ただ単に株式公開のタイミングが悪かったからだろう。つまり株式公開をしていいタイミングではなかった、というのが筆者の見立てだ。
そうだとすると、来年の株式マーケットにはあまり期待が持てないだろう。株価は、これから下落トレンドを強めてくるはずだ。
このことを前提とすると、2019年の日本経済の行方には、黄色信号がともったと見ていいだろう。少なくとも楽観視することは禁物だ。
年の瀬になって、こんな不吉な予測をするのも何だが、この点についてはぜひとも肝に銘じていただきたい。(ジャーナリスト)