ラグビーイヤーも「スクール☆ウォーズ」に逆風!?愛のムチが問題視 松村雄基が指摘

W杯イヤーに向けてラグビーへの熱い思いを語った松村雄基=都内
川浜高校のユニホームで同窓会トークを行った(左から)高野浩和氏、宮田恭男氏、松村雄基、山下真司(16年撮影)
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 2019年はラグビーイヤー。9月20日から11月2日まで日本でW杯が開催される。日本において競技人口の拡大に貢献したと指摘されているドラマがTBS系「スクール☆ウォーズ」。不良少年からラガーマンとして成長していく大木大助という役を演じた俳優の松村雄基にラグビーに対する思いを聞いた。

 18年12月16日、都内でコンサートを行った松村はМCで、前日のラグビー日本選手権で神戸製鋼が18季ぶり優勝を遂げたことに言及。神戸製鋼の攻勢に「行け行け!と力が入った」という。背景には「スクール☆ウォーズ」のモデルとなった京都・伏見工業高校OBで、同世代の平尾誠二さんの存在があった。

 「2年前(16年)に亡くなられた平尾さんの遺影をスタンドで持っている方がテレビに映し出された時、思わずもらい泣きしてしまいました。(スクール☆ウォーズの)川浜高校が全国優勝した時のキャプテンで、四方堂亘さんが演じた『平山誠』は平尾さんがモデル。平尾さんは学年こそ僕の一つ上ですが、同じ年の生まれ。平尾さんが亡くなるとは想像できなかったです」

 では、大木のモデルは?松村は「弥栄(やさか)の清悟(しんご)といわれた山本清悟さんが(キャラクター造形の)メーンです。“京都一のワル”から教育者(奈良朱雀高ラグビー部監督)になられた方。人間はやり直しができるということを思います」と語る。

 放送は84年10月から85年4月まで。校内暴力が社会問題化した時代を引きずっていた頃で、校舎の窓ガラスを割ったり、バイクを廊下で走らせたりといった場面もある。教師も生徒たちに体で教えた。「俺は今からお前たちを殴る」。熱血教師・滝沢賢治を演じた山下真司が涙ながらに吐き出した名セリフは今も語り継がれている。

 だが、今ではその描写自体がNGになりつつある。殴る者の心情以前に、行為そのものが問題視されるのだ。

 松村は「W杯でラグビーが盛り上がっても、ドラマはそうでもないようです。生徒を殴る場面がコンプライアンス的にまずくて、あまり大々的に映像を流せないからです。山下真司さんが登場した秩父宮ラグビー場のイベントでは、流す予定だった映像が前日にキャンセルになった。『教育の一環とはいえ、生徒を殴るとはまかりならん』という理由で、企画が通らなかったそうです」と明かす。

 90年代以降も地上波で何度も再放送され、今年1月25日からはCSのTBSチャンネル2で放送。時を経ても色あせない名作であることは確かなのだが、スポーツ界での体罰が問題視される時代、地上波では再放送が難しい状況になっている。

 松村は「きわきわのところまでいかないと人間の何たるかは見えてこない。先生も聖人君子じゃない。今は選手の自主性を尊重する時代になってきましたが、そこに持って行くためにも滝沢先生的なハートと行動力を持ち、精神的支柱となる指導者が必要」と思いを吐露。「ノーサイドの精神、ワンフォーオール・オールフォーワン。正月のラクビーは夢中になって見ています」。骨の髄までラグビーに魅せられていた。(デイリースポーツ・北村泰介)

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