SNSでブレイクした苺スイーツ専門店の「こだわり」 インバウンド客にも大人気
大阪・心斎橋の大丸から南に200メートル。商店街に続く脇道を入ると、何やら人だかりができている。頭上には大きくて真っ赤なイチゴの立体看板。視線を地上に戻すと、間口わずか2、3メートルほどの小さなショップに、長蛇の列ができている。SNSで人気爆発したいちごスイーツ専門店「Strawberry Mania」だ。
オープンしたのは2018年6月。いちごのエクレア、いちごのスムージーなど、いちごに特化したスイーツのラインアップが、いちごファンの間で瞬く間に人気を呼び、SNSで評判が広がった。
「テークアウトで人気があるのは、定番のいちご大福や、生地まで赤いいちごのエクレア。2階のカフェでは、いちごのモンブランや、トロリとしたアングレーズソースを仕込んだ苺のタルト爆弾が人気メニューです」と語るのは、パティシエの岸田仁寿さん。いちご尽くしのお菓子を目当てに、中国や台湾の海外旅行客も行列に加わるという。
経営するのは東京・築地の大福店「そらつき」。もともとは海産物加工品を扱う店だったが、築地に甘味がないことに着目し、いちご大福を販売したところ大ヒット。いちごは老若男女問わず好まれる上、「日本のいちごはおいしい」と海外旅行客に認識されていることから、インバウンド客が入り乱れる大阪・心斎橋にStrawberry Maniaをオープンした。
素材の中で最もこだわっているのは、言うまでもなくいちごだ。「当店が使うのは、一般には流通していない2L、3Lサイズのものだけ。いちご農家と直接つながりのあるフルーツ専門店を通して仕入れています。クリスマスシーズンはいちごの争奪戦でしたね」(岸田さん)。北海道から九州まで、全国からその季節で一番おいしいいちごを仕入れているという。
大粒いちごをふんだんに使っている点もさることながら、これまでにない斬新なメニューを打ち出しているのも人気の理由だ。
「タルトを瓶詰めにしたびんタルト、クレープのように手持ちできるケーキなど、社長のアイデアを私たちパティシエが形にしています。19年からは1カ月にひとつの頻度で新商品を発売していきたいと考えています」
2階のカフェでは、夕方以降限定の「夜パフェ」も始める予定。1日の終わりをパフェで締める「シメパフェ」ニーズに応える。
「お菓子はすべて手作り。ソースから作っているので、なかなか大量生産できませんが、いちご好きの皆さんに喜んでもらえればと思っています」
まだまだ長蛇の列は続きそうだ。(おふぃす・ともともライター 高野朋美)