世界最長の橋がマカオ-香港で開通 なんと全長55キロ!
日本からの人気旅行先、マカオは2019年に特別行政区発足20周年を迎えた。世界トップレベルのIR(統合型カジノリゾート)、ショッピング、中国とポルトガルの文化融合など、さまざまな顔を持つアジアリゾートは今、最先端のスピードで進化を続ける。
昨年10月、香港-マカオを経て中国広東省珠海を結ぶ世界最長の橋「港珠澳大橋(こうじゅおうおおはし)」が開通した。海底トンネルや人工島などを含め全長55キロの長い橋は24時間通行が可能。これまで香港からマカオへのルートはフェリーが主流で、手続きから到着まで3~4時間。橋を使えば香港-マカオ双方のイミグレーション施設間を最短30分で結び、手続きやバス乗り換えを含め90~100分で移動できるようになった。
マカオ観光局関係者は「ポルトガルの海外領だったマカオは東洋と西洋の融合、統合型リゾートと世界遺産といった、対照的な文化が同居する空間。カジノだけでなく老若男女あらゆる人々が楽しめる娯楽が充実している」と、年々進化を続ける都市の魅力を力説する。これまでは香港からの日帰り渡航先というイメージも強かったが、「橋の開通やリゾート開発によって長期滞在する新しい旅パターンが増えてくる」と、新たなルート開拓に期待を寄せている。
現在のところ、橋の通行を許可されているのはシャトルバスなどライセンス所有車のみで、シャトルバスはピーク時は5分置きに出発。混雑もなく、海上を突っ走る爽快感が味わえる。中国からの観光客は橋を渡ることを一つのアトラクションととらえ、香港経由でマカオ入りする人が増えているという。
同観光局によると、これまで日本人観光客は香港からフェリーで訪れることが多く、全33万人のうち、75%は香港からフェリーでマカオ入りしていた。滞在時間も日帰りなど短期が主流。橋の開通によって移動時間が短縮されると、マカオ滞在時間が増え、街の魅力をより多く味わえる。日本-マカオ間の直行便・マカオ航空などでマカオ入りし、橋を渡って香港に日帰り滞在する“逆ルート”も増えそうだ。