「海の京都」が東京・丸の内に来た 人気は“くさい郷土料理”
「海の京都」の食文化や特産品を紹介する期間限定のイベント「旅する食卓・小さな海の京都」が東京・丸の内の「MARUNOUCHI TRAVEL LAB」で開催されている。期間は2月28日まで。地酒、クラフトビールと並んで好評なのが「鯖(さば)のへしこ」なのだとか。独特のにおいが受けているのかも。
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「海の京都」は京都府の日本海側に位置する5市2町(福知山市、舞鶴市、綾部市、宮津市、京丹後市、伊根町、与謝野町)で構成されている。その呼び名は定着しつつあるものの、首都圏でさらなるPRをしようと昨年12月3日から「-TRAVEL LAB」で食文化や地酒、地ビールなど特産品の魅力を発信している。
場所はオフィスビル1階の1角で、席数はカウンターのみの6席。運営するWILLER株式会社の田辺真歩さんは「訪れる方のほとんどが周辺のオフィスワーカーです。京都に興味がある方も来られますが、海の京都を知らない方もいらっしゃいますので、実際に足を運んでいただけるように行き方も含めて、案内させていただいています」と話す。
同施設は「旅×食×地域」の3つのキーワードを組み合わせ、新しい旅の価値観を生み出すための研究所という位置づけで、移動ソリューションを提供するWILLER株式会社が2017年より運営。最終的には、その地域の旅へ誘うのが目的だ。これまでに新潟との間で「酒ツーリズム」、北海道・函館とは「ビアツーリズム」などを実施してきた。
今回のイベントは「旅する食卓」とあるように食がメーン。夜の部では地ビールコンテストで世界的な賞を連続受賞している京丹後市の「丹後クラフトビール」や丹後天酒(地酒)を提供。昼の部のランチでは舞鶴市の舞鶴海軍カレーをはじめ、与謝野町の丹後コシヒカリのロシェ、宮津市の小アジのぬかだきなど。なかでも、京丹後市の「へしこ茶漬け」(800円)は「いい感じの臭みで食べやすい」と好評だという。
そもそも「へしこ」は「さば」や「いわし」などの魚を塩漬けした後、米糠に長期間漬け込み熟成させた保存食。塩分はやや高めながら塩辛さの奧に豊かな風味が隠されており、温かいご飯やお茶漬けにピッタリだ。京都府のホームページによると主に石川県から鳥取県までの日本海沿岸地方で生産されており、府内では、伊根町を中心とした丹後地域で昔から保存食として作られ、食されているとのこと。
会場ではインバウンド向けに英語で表記したメニューや、英語でのプロモーション動画も放映して「海の京都」の魅力を伝えている。営業時間は、ランチタイムが11時から14時。ディナータイムが17時から19時で、土・日・祝日が定休日。(デイリースポーツ特約記者・山本智行)