仲邑菫ちゃんが見せた普通の女の子の笑顔…天才少女出現で活気づく囲碁界

 天才少女の出現で囲碁界は年明けから活気づいている。4月に史上最年少10歳で囲碁のプロ棋士になる仲邑菫ちゃん(9)が通っていた「囲碁サロン心斎橋」(大阪市中央区)も“恩恵”を受け、注目度アップ。一体、どんな女の子だったのだろうか。

 菫ちゃんは東京都生まれで5年前から大阪市在住。現在は此花区内の小学校に通っている。ご存じの通り、父はプロ棋士の仲邑信也九段(45)で母も元インストラクターの高段者と囲碁に囲まれて育った。

 この囲碁サロンに通うようになったのは引っ越した直後。すでに3歳3カ月でルールをマスターしており、当時のインストラクターでアマ初段の倉橋里美さん(34)によると、やはりモノが違ったようだ。

 「5歳ぐらいから韓国修業に行くまでの3年ほど通ってくれましたが、あっという間に手が届かないぐらい強くなっていきました。何より菫ちゃんは集中力がすごかった。負けず嫌いで本当に囲碁が好きな女の子でした」

 一般的に初心者は9子のハンデから入り、1子ずつ減らしていくのが通常のステップ。ところが、菫ちゃんは9子から5子、3子、ハンデなしと進んだ。

 「お母さんから聞いた話だと朝の5時、6時に起きた瞬間に棋譜並べをしていたそう。詰め碁の勉強はいまもずっと続けているようです」

 写真は4年前の2015年11月にサロンで優勝した時のもの。「大きなトロフィーだったので大喜びしていた」と普通の女の子らしい一面もある。しかし、その才能は国民栄誉賞の井山裕太5冠も認めるところ。「あの年齢で集中力が素晴らしい」と。さらに対戦者は一堂に「読みがすごい」と話す。

 ちなみに倉橋さんは現在、一児の母。夫はプロ棋士の倉橋正行九段(46)で10カ月の長女・未来(みく)ちゃんに「菫ちゃんのようになってくれないかな」と夢を託している。

  ◇  ◇

 にわかに活気づく囲碁界。取材日には、関西棋院の西山静佳初段(26)と出口万里子初段(27)が同サロンに特別出張し、囲碁の魅力を語ってくれた。「棋風はそれぞれ。自由で戦略的な部分が楽しい」「年齢、国籍など関係なく世界共通。言葉が通じなくても石が語り合うところ」「女性の方が攻撃型。すぐに仕掛けるんですよ」などなど。

 今後について西山さんは妹で将棋の西山朋佳奨励会三段を意識し「将棋に負けないよう、競技人口を増やしていきたい」とキッパリ。出口さんも「タイ、ブルネイなど今年も海外へ行って普及したい」と意気込んだ。もちろん、タイトル奪取は当然の目標だ。

 2人は女流棋士8人による指導碁会「舞姫」を結成。また初心者向けに入門イベント「ごやねん」も実施している。詳しくはhttp://www.igomaihime.com(デイリースポーツ特約記者・山本智行)

▼囲碁サロン心斎橋 大阪市中央区西心斎橋1の13の5サンダー心斎橋ビル2階 電話番号06(6245)3599

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