ネットで炎上中の“CD踏みつけ”に威力業務妨害罪か暴行罪の可能性も、小川泰平氏が指摘

 東京・秋葉原の路上でライブをする女性からオリジナルのCDを購入した男性が、そのCDを女性の目の前で踏みつける動画がツイッターに投稿されて炎上騒ぎとなり、ショッキングな映像がテレビでも紹介されて波紋が広がっている。果たして、この男性は法的に罪に問われる可能性はあるのだろうか。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は23日、デイリースポーツの取材に対して「威力業務妨害罪か暴行罪の可能性はある」と指摘した。

 動画では、男性が(販売価格の)1000円を渡して購入したシングルCDを女性の前で故意に落とし、左足で思い切り踏みつける映像が撮られ、その撮影者である別の男性の笑い声も入っている。1月22日放送のTBS系「ビビット」でインタビューされた男性が「路上ライブを許可なしでやっている方をやめさせたい」と釈明したが、「“ライブをやめさせる”以前に人として最低」「やり方が間違っている」といった批判がネット上で殺到している。女性は泣きながらスタッフに電話して屈辱的な出来事を報告したという。

 小川氏は「このCDは男性が購入して“自己物”となっているので器物損壊罪にはなりません。ただ、威力業務妨害罪は成立しうると思います。この女性が道路の使用許可を取っているか取っていないかは別の問題です。男性の行為によって以後の演奏ができなくなったと証明できれば、威力業務妨害罪の可能性もあります」と解説した。

 さらに、同氏は「本人の目の前で予期しないことが起きたため、気分が悪くなって体調を崩すこともある。暴行罪も考えられます。暴行罪は必ずしも体に触れる必要はなく、本人の近くで騒音を鳴らすとか唐突に不愉快な行動をするなどして具合が悪くなれば適用されることもある」と説明した。

 また、侮辱罪や名誉棄損罪となる可能性について、小川氏は「男性が今回の行動とは別のことで、女性をSNSで中傷するようなことがあればそうなりますが、動画で見られる範囲ではないでしょう」とした。

 男性は「無許可のライブをやめさせたい。(自身の行動は)必要悪」などと主張しているが、小川氏は「演奏をやめさせたいのであれば交番に報告するか、110番に通報すればよいことです」と忠告した。

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