ありそうでなかった大発明「鶏のから揚げの缶詰」 本当においしいか実食
ありそうでなかった「鶏のから揚げ」の缶詰を、静岡の食品メーカーが開発しました。ぱかっと缶のフタを開けるだけで、大人も子どもも大好きなお惣菜の定番が味わえるなんて、まるで平成最後の大発明。おそらく日本初、いや世界初、ここまできたら宇宙初!?の取り組みだそうです。あの香ばしい匂いと味わい、カラッとした食感は、密閉された空間の中、どう保たれているのか。そして本当においしいのか…実際に食べてみました。
◇ ◇
開発したのはホテイフーズコーポレーション。実は「やきとり」の缶詰を1970年に世界で初めて開発した会社といいます。「ホテイのやきとり」 として広く売られており、年間1800万缶製造。国内シェアは約7割といいます。
「当社はやきとり缶詰という看板商品があり、鶏肉の缶詰加工技術に強みがあります。やきとりに続く鶏肉料理となると、鶏のから揚げが真っ先に思い浮かびますよね。そこで開発を進めてきました」と話すのは同社の担当者。「このような商品は、製缶会社も聞いたことがないとのことでしたので、 おそらく日本初、世界初と考えています。ただ、他社商品について全て把握しているわけではないので、断言できない、というのが実情ですが…」
2年以上の開発期間、70回もの試作を繰り返して、商品化できたそうです。「ベタベタとした食感にならないようにすることが最も高いハードルでした。から揚げのサイズ、衣の量、鶏肉の水分量など、試行錯誤を繰り返しました」
販売しているのは「和風醤油味」「てりマヨ味」「旨辛たれ味」の3種類。「和風醤油味」が一番オーソドックスで、タレなどがかかっていない、から揚げそのままの味が楽しめるそう。
その商品説明がまたそそります。「国産若鶏をスパイシーな醤油だれに一晩漬け込み、菜種油でじっくりと揚げ、缶詰ならではの加圧加熱殺菌でカラッと香ばしく仕上げました。液のないドライタイプ」とのこと。…「カラッと香ばしく」ですって!まさにから揚げらしさにあふれた表現ですね。
さあ、いざ実食!缶を開けた瞬間、ぱあっと、周囲に香ばしい“から揚げらしい匂い”が広がります。ただ、見た目は「ドライ」という雰囲気ではなく、しっとり目の雰囲気です…。確かにベタベタはしていないけど、なにか期待外れ?
ところが、いざ口に含んでみると、印象は大きく変わります!しっかりとした醤油味のお肉に、から揚げの皮の味わいが強い存在感で伝わってきます。ああ、噛みしめるたびに実感できる、油の旨味のハーモニー。これは…まさにから揚げです!
ほかのパターン「旨辛たれ味」「てりマヨ味」も、濃厚なタレが、から揚げのおいしさを引き立てて、そのままおかずやお酒のあてにしたくなるおいしさです。担当者さん、おすすめの食べ方はありますか?
「そのまま食べてもおいしい設計ですが、冬場は軽く温めて頂いた方がよりおいしいです。軽く湯せんするか、耐熱容器に移してレンジで温めてください。アレンジレシピですが、一口サイズですので、おにぎりの具にすると天むすのような味わいが楽しめます」
あ、おにぎりに使うの、絶対おいしそうです。そのレシピ、みんなでいただきですね!(神戸新聞・川上隆宏)
▼「からあげ 和風醤油味」「からあげ てりマヨ味」「からあげ 旨辛たれ味」参考小売価格いずれも税別200円。コンビニで先行販売中、3月1日から全国販売。