「お名前は?」ネコの首輪に手紙をつけたら…お返事が!伝書鳩ならぬ「伝書猫」の思い出

首輪に小さな手紙を結びつけたところ…「キャットクリニック」さんの投稿
やり取りされた手紙の内容は…
2枚

 よくお家に遊びにきていたネコちゃん。ある日首輪をしていたのに気が付いたので、「どちら様のネコですか?お名前は?」とお手紙を結びつけてみたら、翌日首輪に返信のお便りが…。そんな「伝書鳩」ならぬ「伝書猫」のようなお話が、ツイッターで話題を集めています。昔の思い出話だと思ってつぶやいたところ、偶然にも飼い主だった人が投稿を発見。あらたにメッセージでのやり取りが始まったというおまけつきです。時間を超えてネコちゃんが取り持ってくれた不思議な出会いに、ネット中が感動しています。

 投稿したのは「キャットクリニック」(@catsclinic)さん。4月から近江八幡市で、漢方と栄養療法にこだわった動物病院を開業される予定の獣医師さんです。「うちのデッキにちょくちょく遊びに来ていたシロクロ猫…勝手にクロちゃんと命名。ある日、ノミ取り首輪を付けていたので、『やはり飼い猫だったのかぁ』と思い、その首輪に小さな手紙を結びつけました。。。すると翌日、返信が首輪についていました!」とのコメントとともに、ネコの画像と手紙の画像を4日夜にツイート。8日午後までに6万件以上リツイートされ、15万件近くの「いいね」がついています。

 手紙でのやり取りは「どちら様のネコですか?名前は?うちによくあそびにきます。かわいいですね」に対して、「名前はダイズっていいます。いつごろからそちらに行ったりしているんですか? これからも仲良くしてくださいね」との返信が届いたという、ほのぼのとしたもの。

 すると投稿の翌日、返信欄に元飼い主という方が「待ってください。私の家の猫です」とコメント。その後、手紙をやり取りしたときの驚きや、大切に世話をしてもらったことへのお礼が書き込まれました。

 なお、手紙をやり取りしたネコちゃんは一昨年の夏に亡くなっていたそうで、元飼い主さんは「Twitterを開いて大豆とあのときのツイートが流れてきたときは本当に震えが止まりませんでした。大豆との楽しかった思い出を振り返ることが出来ました。改めてすごい猫だったと思います笑」とされています。

 投稿した「キャットクリニック」さんにお話を聞くことができました。

 -よくお家に遊びに来ていたネコちゃんだったのですか。

 「ダイズくんがうちの家に遊びに来るようになったのは、2012年の春ごろです。約7年前の出来ごとですね。うちにはネコが3匹いることもあり、野良ネコや外で飼われているネコがよく家に来ていました。ダイズくんもその1匹です。家の中に入りたいと網戸を開けてほしそうな動作をしたりするので、飼われているネコだと思っていました」

 -お手紙を交換しようとされたのはいつごろですか。

 「普段は首輪をしていなかったのですが、遊びにくるようになってから2年ほどたったとき、ちょうどノミ取りの首輪をしていたのを発見しました。このタイミングをいかさないわけにはいかない!と思い、首輪に手紙をつけてみました」

 -まさかお手紙が返ってくるとは。びっくりですね。

 「返信に飼い主さんの名前も書かれており、近くのお惣菜屋さんに聞いたら、ご近所にお住まいの方のネコだということがわかりました。でも、あいさつに行ったりしたことはなくて…。ここ最近ダイズくん見かけることはなかったので、どうしたのかなとは思っていました」

 -数年前のお話を、最近ツイートされたきっかけはなんだったのでしょうか。

 「動物病院開業の準備もあり、昨年はじめからツイッターに本格的に取り組みはじめました。投稿できる話を探すついでに、過去の写真を整理していたところ、ちょうどダイズくんとのやりとりが出てきたので、こんな思い出があったな、という気持ちで投稿しました。写真が出ることで飼い主の方には迷惑がかかるかもしれないとも思いましたが、大分時間がたっているので、もう大丈夫かな、と」

 -元飼い主さんもツイッターで発見されて、大変よろこばれていましたね。

 「遊びに来たダイズくんが、自宅で飼っているネコと一緒に写っている写真もいっぱいあります。これを機会に見ていただきたいと思っています」

 -ネコは家の中で飼うべきだという意見があるようです。家の外に出ているネコとの思い出を紹介されていることに、問題がないのかと指摘する人もいるようです。

 「家の外に出られるようにして飼うと、感染症の可能性があったり、交通事故にあったりする可能性もあります。また、周りに迷惑をかけることもありますので、獣医師としての立場としては、家の中で飼われることをおすすめします。でもそうしてしまうと、今回のような出会いや交流はなかなか生まれませんね。ダイズくんと出会った6、7年前は、私の住んでいる地域には、いっぱい外にネコがいました。ネコが自由に行き来していた昔の思い出として、楽しんでもらえるとうれしいです」

(神戸新聞・川上隆宏)

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