話題の「地酒電車」増発!過去最多12銘柄の純米酒が飲み放題

 近江鉄道の恒例「近江の地酒電車」が一段とパワーアップして運行中だ。5回目を迎えた今年は過去最多となる12の蔵元が参加。純米酒の飲み放題に加え、大吟醸の試飲も楽しめる。好評につき、期間を3月24日まで拡大して大幅増発。この機会に、列車に揺られながら近江の銘酒を飲み比べしてみては。

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 「地酒電車」は沿線に個性豊かな酒蔵を抱える近江鉄道ならではのイベント列車。スタート時はわずか4蔵だったが、その後は年々パワーアップ。5回目を迎えた今年の参加蔵元は過去最多となる12となった。

 「今回のセールスポイントはなんと言っても2種類の純米大吟醸を試飲できるところです。ぜひ、純米大吟醸を楽しんできてください」

 電車に乗ろうとすると近江鉄道の高橋哲治さんが声を掛けてくれた。ここまで「純米大吟醸」を強調されると期待せずにはいられない。

 席に着くと、テーブルには10種類の純米酒が用意されていた。これに後から2種類の大吟醸が加えられるシステムのようだ。目玉の大吟醸は週替わりになっており、取材当日は近江酒造「錦藍」と美冨久酒造「三連星」だった。

 最初に口にしたのは山路酒造「北国街道」だった。辛口のスッキリ味。この山路酒造は沿線から遠く離れた長浜市にあり、今回が初参加とか。だが、そこは酒所の滋賀。全国でも5番目に古い酒蔵として知られている。

 そこからは調子に乗って「七本鎗」「多賀秋の詩」をクイクイ。温かいおでんと弁当に入った滋賀名物の赤コンニャクやえび豆、びわ湖で捕れた鮎の山椒煮もアテにはうってつけ。飲みやすさも手伝い、気がつけば「長寿金亀」「旭日」「大治郎」「一博」など、ひと通りいただいた。

 もちろん、大吟醸の2種類は期待通りのおいしさ。口当たりがいい。コースは例によって彦根駅と近江八幡駅が発着点。今回は彦根駅発の電車に乗ったが、途中の尼子駅に着くころには、すっかりできあがっていたのは言うまでもない。

 それは同乗者もみな同じ。会社の同僚10人ほどで参加していた隣の男性客は「ビア電には乗ったことがあったので、次は地酒電車を狙ってました。大吟醸、おいしいです。期間内にもう1回来たい」とほろ酔い口調で話してくれた。

 近江鉄道の企画列車には夏のビア電と秋のワイン電車もある。ちなみに一番古いのは1996年にスタートしたビア電。だが、地酒電車も年々その存在感を高めつつある。運行便は昨年までが毎週、木、金、土曜で1日1便限定の計20便。ところが問い合わせが相次いだため、今年は日曜も加えた週4回、計36便に増やした。

 1月24日から始まった運行期間は3月24日まで。土日を中心に満席の日もあるため、同社ホームページなどで空き状況や出発時刻などを確認した方が良さそうだ。料金は1人4500円。問い合わせは近江トラベル0749(24)8103まで。(デイリースポーツ特約記者・山本智行)

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