厨房の様子を店内リアルタイム放送!最強のバイトテロ対策?中国の飲食店動画が話題

 コンビニエンスストアや飲食チェーン店でアルバイト店員が食べ物を不衛生に扱うなどの不適切動画が社会問題化している中、中国・上海在住の日本人が投稿したツイートが話題を呼んでいる。

 「すーがー」(@suga_ta1231)さんが動画と共に「中国のバイトテロ対策。厨房の様子を店内でリアルタイム放送。抑止力最強なうえに広告まで流せる優れもの」と2月9日にツイート。14日時点で「いいね」が5000件以上、リツイートが3300件以上と反応は大きく、コメント欄には日本語で60件以上の意見が寄せられている。

 動画は13秒。カメラが左にパンして飲食店の様子を紹介しながら、壁の上部にあるテレビモニターに注目。画面には厨房が映し出されている。頭上から撮影された厨房の映像が客席からも見ることができる。確かに、この状況では“不適切”なことはできない。そこに広告も挿入される。

 さっそく「すーがー」さんに取材を打診し、快諾していただいた。同氏は「映像の店舗は実際に上海に存在する店舗で、私が店内で撮影した映像です。小籠包、肉饅、ラーメンなど、庶民の食堂的なお店で、日本人から見ても早い安い美味(うま)いというお店です」と明かした。

 コメント欄を拝見した。「料理課程を見せるエンターテイメントとしても機能してるね」という書き込みに対し、同氏は「中華料理って一気に仕上げる工程が見ていて楽しいので、そういう意味でも良い機能だと思うんですよ」と返信。「バイトテロ対策というよりも『こんな風にチャンと作ってますよ』というアピールでしょ」との指摘に、同氏は「まさにそれです。見られることでプロ意識も育つかと思いますし、見てる方も楽しいでしょうし。監視と捉えるかパフォーマンスと捉えるかで、考え方がだいぶ変わってきますよね」と見解を示した。

 では、日本で社会問題化している店舗での不適切動画について、中国ではどのような状況になっているのだろうか。同氏は「個人的な見解」とした上で「中国では、勤務中の『ウケ狙い』の映像を公表することに対して、そもそもメリットを感じていません。むしろ自身や雇い先を締め付ける自殺行為です。まれに見る中国の食品製造関連の不適切映像については、組織的な行為、もしくは一部従業員による不適切行為の映像流出であって、自ら撮影投稿する『ウケ狙い』とは根本が違います」と分析した。

 撮影した今回の動画について、同氏は「監視という効果以上に、厨房の清潔さや調理人の技術など、パフォーマンス性」を指摘。庶民的な食堂での“厨房公開映像”を通して、料理人による華麗な鍋さばきや包丁さばきなどを楽しむエンターテインメント性にあふれていた。そんな雰囲気の中で働く充実感があれば、「バイトテロ」という名の“悪ふざけ”をする暇もないのではないかと感じた。

 (デイリースポーツ・北村泰介)

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