「うんこ計算ドリル」開発秘話…トイレに流すことを検討していたって本当?
累計発行400万部、日本中の子どもたちの熱狂的な支持を集める「うんこドリル」シリーズに2月22日、最新刊「日本一楽しい計算ドリル うんこ計算ドリル」が発売されました。なかなかやる気が続かない小学生の計算練習に革命を起こすべく、子どもたちの興味を沸騰させるうんこの魔法が今回も一層パワーアップ。なんと、トイレットペーパーのように水に溶ける紙を使い「親御さんと丸付けをしたあとはトイレで流せる」という画期的なアイデアも温めていたそうです。環境問題の観点から最終的に実現には至らなかったそうですが、新キャラクターが登場するなど、エッジの効いた内容になっています。
うんこドリルシリーズは、2017年3月に発売された「うんこ漢字ドリル」が大ヒット。例文すべてが「うんこ」に関連するという奇抜な内容が受け、社会現象になるほど注目を集めました。その後、ひらがな、カタカナ、そして文章問題をメーンにした算数ドリルが刊行されています。シリーズにあらたに加わる計算ドリルについて、出版元の文響社・うんこ編集部編集長の正木寛子さんに聞きました。
-計算ドリルを出版されることになった経緯を教えてください。
「これまでにうんこドリルをつかったことのある方たちから、計算の勉強がなかなか続かないので、ぜひ作成してほしいとの声をもらっていました。まず小学1年生向けのたしざん・ひきざん、小学2年向けのたし算、ひき算、かけ算の5冊を販売します」
-どのようなところに、うんこの要素が盛り込まれていますか。
「おはじきの図解など、絵の部分でうんこに変換できるところは、できる限り変えています。しかし、計算の式や数字自体をうんこに変えるのは難しいですよね。そこで箸休め的にうんこのコラム、パズルやクイズなどを盛り込み、飽きずに最後まで取り組めるようにしています」
-うんこシリーズが出て2年近くになります。これまでに刊行されたドリルと異なる特色やアイデアなどはありますか。
「もともとは水に流せる紙を使う予定で、計算問題を解いたあとはトイレで流せるようにしたいと思っていました。残念ながら実現しなかったんですけど…」
-えええっ、それはすごいですね。水に流せるなんて、実現すれば、異次元のすっきり達成感と爽快感でしたけど…。
「そうなんです。ただ、紙は水に溶かしてもよいけれど、印刷につかっているインクが環境的に問題ないのかが分からなくなってしまって。役所の下水道を担当している部署にも相談していましたが、インクの成分をひとつずつ特定・分析して安全性を確認する必要があり、大変な時間がかかることもあって断念しました。8割がた完成していて、実用新案の申請も出していたのですが、取り下げることに。もともとドリルは昨年の11月に発売予定だったのですが、そういった対応が重なり、現在まで伸びました」
-環境問題のことはわかりますが、断念したのは、もったいない気がします。
「しかし、限られた枚数の用紙などであれば、可能かもしれないと思っています。今後、幼児向けに工作関係のドリルを作成する予定があるのですが、そこで採用できないかと考えています」
-溶けなくなった計算ドリルですが、ほかの面白い取り組みはありますか。
「新しいキャラクターとして『うんこ戦士 ゴッドウンコ』をつくりました。裸に服装をカスタマイズできるシールを貼って、自分だけのきせかえを楽しめます。ドリルを解き進める際のごほうびにつかってもらいたいです」
-これまでつくってきたドリルの経験が生かされているような部分はありますか。
「表紙をとっても、金銀の箔押しをつかってゴージャスな雰囲気にしているほか、キャラクター・うんこ算数先生のポーズで『+』『-』『×』の演算記号をあらわすなど、以前手にとったことのあるドリルとは違う『斬新さ』を感じてもらえることを目指しています。うんこカラーをとにかく出せるだけ出せるように、一から考えています」
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なお、各学年の重要学習事項は厳選。単元の区切りごとに「確認テスト」「まとめテスト」も設けられ、学力の定着を目指しているとのこと。来月には小学3年生向けも出る予定です。うんこの魔法で、楽しく計算の勉強ができるようになるといいですね!(神戸新聞・川上隆宏)
◆文響社・うんこ学園:https://unkogakuen.com/