美術家・会田誠氏が“セクハラ”訴える女性に反論 ネット上で賛否両論
日本を代表する現代美術家の一人、会田誠氏(53)が27日夜から28日未明にかけ、自身の発言や作品等を通して“環境型セクハラ”を受けたとする女性の訴えを報じたニュースに反応してツイッターに連続投稿。それを受け、著名人からも多様な意見が寄せられた。
昨年、京都造形芸術大の東京キャンパスで行われた公開講座に参加した美術モデルの女性が、講師を務めた会田氏の“性的発言”や作品から精神的苦痛を受けたとして、大学を運営する学校法人に慰謝料など約330万円の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こした。27日、原告と代理人が都内で会見し、その内容が報じられた。
会田氏はまず「寝耳に水でした」とツイート後、「落ち着いた文化教養講座をイメージしていたなら、すごいギャップがあったでしょう。僕は芸術が『落ち着いた文化教養講座』の枠に押し込められることへの抵抗を、デビュー以来大きなモチベーションとしてきた作り手です」と自身のスタンスを主張した。
この女性が嫌悪したという「モデルをズリネタにした」という自身の発言には、「油絵科の学生としてヌードモデルを描いていた時に、はたと気づいた。裸の女性が真ん中にいて、たくさんの男たちがそれを凝視している。そして言外に欲情は禁じられてる。これってなんなんだ?(中略)どっちが病的なんだ?そういう問いです」と、東京芸大時代から抱えてきた思いが根底にあると説明した。
また、「酒に酔ったような状態で現れた」とする原告の主張に対し、会田氏は「まったく事実と違います。肝臓の弱りからくる赤面ですが、この時はけして【まだ】飲んでません。彼女の単純な誤解です」と反論した。
一連のやり取りに対し、作家の北原みのり氏は「本当に勇気ある声だと思う」と女性を支持。逆に、タレントのフィフィは「確かに会田誠氏の世界観や作風を知らず彼の作品を見たらショックを受ける人もいるだろうけど、自ら講義に赴き傷ついたと訴えるのはどうなのかな、ちゃんと受講する前に調べてないのかな」と、作風を予習していない女性の姿勢に疑問を呈した。
劇画原作者の小池一夫氏は「コタツに入れないという女性が知人にいる。コタツの中で性的なイタズラをされた経験があり、コタツに入って誰かの足に少し触れただけでも凄い不快感があると言う。しかし、一般的に考えて、コタツに罪はない。会田誠さんをコタツとすれば、最初からコタツに入るべきではない。自分で防げたことだよね」と比喩表現で自己責任を説いた。
ただ、訴えられたのは会田氏ではなく学校側。大学側の管理態勢を問う声もあった。
会田氏は28日にもツイッターを更新。「今僕が何が一番辛いって、僕が今一番精神を集中しなきゃなきゃいけない新作が、今僕の名前でネットでわーわー語られてることと1ミリも接点もないこと。新作に集中しなきゃいけないのに集中しにくい…」と吐露した。