大阪府警、ついにあの「もっこり男」を募集!?攻め続ける採用ポスターの担当を直撃

雑誌の表紙風ポスター(左)と、「シティーハンター」とのコラボポスター(右)
発表されるたびに話題を呼んだ大阪府警の採用ポスター
映画「シティーハンター」と大阪府警のコラボポスター
3枚

 「草食系より大阪府警」「ごめんですんだら警察いらんわ!!」など、数々の名コピーで知られる大阪府警の採用ポスターに、今年1~2月、アニメ「シティーハンター」の冴羽獠が登場して注目を集めた。クールな笑みを浮かべる冴羽獠のイラストに添えられた「この大阪府警には、お前のようなヤツが必要なのさ」というコピーは、就職先を検討中の若者に向けたものだと思われるが、一見すると、府警が冴羽獠に呼び掛けているようにも読み取れるところがミソ。府警さん、まさか裏社会の凄腕スイーパー(始末屋、掃除屋)にして「新宿の種馬」「もっこり男」と呼ばれるようなヤツを必要としているのか…?

 という低クオリティーな冗談はさておき、皆さんご承知の通り、これは実に20年ぶりの新作となる長編映画「劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>」と府警のコラボである。映画会社からの持ち込み企画といい、2月8日の劇場公開に合わせ、1月中旬から2月末まで、大阪府内の駅や商業施設、交番などに計1500枚が貼り出された。

「すごい人気でした」と話すのは、警務部警務課採用第三係長。「就活世代の親の多くが『シティーハンター』世代なので、ターゲットに届いた感覚があった」。ちなみに、映画の公開日を示す「2019.2.8」の意味が分からず、府警には「この日に何があるんですか」という問い合わせも寄せられたという。それは問い合わせを装った府民なりのボケなのでは、という気がしなくもないが、野暮なツッコミはやめておこう。

 ◇    ◇

 「シティーハンター」などの映画とのコラボポスターとは別に、府警は毎年度、警察官募集のポスターを制作している。2019年度の第1回採用募集に向けては、ファッション誌の表紙と見紛うデザインのポスターを発表。「大阪の街は俺達が守る!」と力強く謳う“特集”のキャッチコピーとともに、「給料もやりがいも右肩上がり!」「女性の定職にオススメ!」「実はスゴイ福利厚生」などの見出しが躍る。採用センター室長の越智慶司警視は「身近に感じられるデザインで、学生にも好評です」と胸を張る。

 府警は1991年ごろから採用ポスターのデザインを外注。今回は13業者から計34案の応募があったという。素朴な疑問だが、なぜ「面白デザイン」が多いのか。越智警視は「こちらとしては、笑えるデザインが欲しいとは言っていない」と明かした上で、「コンセプトは『正義感とやりがいを強調した警察像を示すこと』と、あとは『大阪らしい色を出すこと』です」と話す。コンペに参加するデザイン・企画会社も「王道」と「変化球」を織り交ぜて応募してくるといい、過去にはいわゆる「普通」のデザインも採用されている。ただ、やはり「ここ10年くらいは注目されている感触がある」といい、「受験者や親御さんの目にどう映るかには、特に気を付けるようにしている」と越智警視。ちなみに、ポスターに登場するモデル(子供を除く)は全て府警の現役警察官が務めているそうだ。

 19年度は、6月から掲示予定の第2回採用募集分のデザインもすでに決定。「どんなポスターが出来上がってくるか、楽しみにしていてください。あと、これが肝心。皆さん、応募をお待ちしています!」(神戸新聞・黒川裕生)

◆大阪府警察官採用センター:0120-370-314

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