インバウンド需要の増加などもあり、注目度を増しているホテル業界。ここに特化した就活イベント「第６回ホテル業界合同会社説明会ＩＮ大阪」がこのほど、ハイアットリージェンシー大阪（住之江区）で開催された。４８ブースが出展され、来春卒業見込みの学生１４００人が熱心に耳を傾けた舞台裏を取材してみた。

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　政府は２０２０年に訪日外国人客４０００万人の目標を掲げている。それに伴い、新しいホテルも次々とオープン。フレッシュマン予備軍もホテル業界へ熱いまなざしを送っている。そんな中、このイベントを主催したのは業界唯一の専門誌「週刊ホテルレストラン」を発刊している株式会社オータパブリケイションズ。担当者は「例年以上に熱気があります」と話していた。

　実際に注目度の高さを表すかのように、２３回目を迎えた東京会場ではグランドプリンスホテル新高輪の宴会場「飛天」にて２日間開催し、６７００人を集めた。また今年から福岡でもヒルトン福岡シーホークを使って初めて同イベントが開催されている。

　今後、国内では今秋のラグビーＷ杯をはじめ、２０年東京五輪、２１年大阪・関西マスターズ大会と世界的なスポーツイベントが続く。さらに大阪・夢洲では２４年のＩＲ（カジノを含む統合型リゾート）の誘致を検討、２５年の大阪・関西万博の開催が決まっている。

　特に、ハイアットリージェンシー大阪が位置するベイエリアはＵＳＪや海遊館などもあり、２月２６日にはリゾート施設「空庭温泉」がオープンしたばかり。「今後、この周辺は最も開発が進んでいくことは間違いない。ちょうど万博開催のころには今回、セミナーに参加された方々が戦力としてバリバリ活躍しているころ」と採用スタッフは期待を寄せた。

　大阪会場では老舗、名門、新興ホテルなど出展は４８ブース。中でも大阪初出展として、ヒューリックホテルマネジメント株式会社が運営する「ＴＨＥ　ＧＡＴＥ　ＨＯＴＥＬ」が注目を集めた。センスにあふれた居心地のいい空間として人気の雷門、有楽町に続き、２０年には京都と両国にも開業予定。担当者は「宿泊ゲスト専用のテラスやパブリックスペースを設けているのが特徴」と話し「スタッフもマルチタスクでそれぞれが助け合う仕組みなので、勤務にゆとりがうまれる」と「働き方」にも対応している点をアピールした。

　一方、学生側で目立ったのはアジア人留学生の多さだ。「アートカレッジ神戸」から参加したスリランカ人のタバナカ・ラララゲナリン・グナティラカさん（３３）は「長い名前でごめんなさい」と日本語で笑いを誘い「向こうではレストランを経営していたが、日本のホテルで働きたい。きょうはたくさんのホテルが見られて良かった」とにっこり。ネパール人のシャルマ・コイララマダブさん（２５）も「今回参加して、一段と日本のホテルで働きたくなった」と目を輝かせた。

　ホテル業界の課題は、不規則な勤務時間による離職率の高さと人手不足だとか。今回のようなセミナーが両者をうまくマッチングすることを願う。（デイリースポーツ特約記者・山本智行）