そもそもエイプリルフールって何?守るべき“ルール”とは…
今年は新元号発表で注目を集める4月1日だが、例年なら「エイプリルフールの日」として話題になることが多い。欧米メディアでは、この日になんらかのウソを仕掛けるのが伝統。日本でも、そうした傾向が一部で見られるようだが、欧米ほどの派手さはない。そもそも「エイプリルフール」とは、いったい何なのだろうか。
起源については諸説あるが、全世界にエイプリルフールを定着させたのは、1938年4月1日にアメリカで放送されたオーソン・ウエルズのラジオドラマ『火星人の襲来』だろう。内容があまりにもリアルすぎたため全米が大パニック。これ以来、世界中の“エイプリルフールネタ”の3割は宇宙人にまつわるもの-という統計もあるという。
1980年には、イギリスBBCが“2008年にビッグベンがデジタル化される”と発表。もちろんジョークだが、世界中の話題になった。なお日本上陸は江戸時代といい、当時は「不義理の日」と呼ばれていた模様。本格的に定着したのは大正時代とされている。
起源には諸説あり、以下ではそんな説をいくつか紹介しよう。
【聖書の記述?】4月1日はイエス・キリストの命日。そこでイエスがユダに裏切られた日を忘れないため、信者たちが定めた。
【インドの仏教修行に由来?】インドの修行僧が4月1日に揶揄され(からかわれ)たことが由来となった。
【フランスの暦の変更がきっかけ?】16世紀にシャルル9世が1月1日を新年とする暦を採用。これに反発した国民たちが、4月1日を「ウソの新年」として祝った。
…他にも、使用人と主人が入れ替わる“無礼講の日”に由来するといった説などもあるようだが、どれも信ぴょう性には疑問符がつく。
最近のエイプリルフール事情では「午前中にウソをつき、午後にネタばらし」という手法が定着しつつあるとか。起源同様に明確なルールこそないが、そこにはいくつかの守るべき“不文律”があるのも確かだ。
そうした啓蒙を兼ねて、企業などからエイプリルフールにふさわしい情報を募集している団体が「日本インターネットエイプリルフール協会」。同協会も「人を中傷し、傷つけるようなものはNG。たとえ騙されても、怒らず笑って許す(ことができるウソ)」を呼びかけている。(デイリースポーツ特約記者・二階堂ケン)