電話に「親は今いません」はNG?子どもの留守番注意点…ALSOK担当者に聞く
共働き家庭が増える中、新入学や進級を機にお留守番デビューをする家庭も多いのではないでしょうか。ただ、やはり気になるのが防犯面。ネット上でも「留守番中の電話に『親はいません』と応じるのは危険」など留守番時の対応が話題になっています。どんな心構えが必要なのか、各地で「子ども安全教室」を開く綜合警備保障(ALSOK=アルソック)の担当者に聞きました。
-留守番中に不審な電話や訪問を受けるケースはどれぐらいあるのでしょう。
「当社が2017年度に全国の小学校教諭1031人に行ったアンケートでは、10・6%が『担任するクラスに、留守番中に不審な電話や訪問を受けたことがある児童がいた』と回答しています。決して多いわけではありませんが、過去には留守番中の女児を狙った性犯罪も発生しており、リスクはゼロではないと考えて対策するべきでしょう」
-電話がかかってきたときはどう対応すれば良いのでしょう。
「子どもさんの年齢によっても違います。1、2年生など低学年なら声のトーンで親の不在が伝わってしまうので、電話には出ないのが原則です。留守番電話機能があれば設定しておきます。留守を狙う犯罪もありますが、帰宅後すぐ鍵を閉めたり、窓ガラスを割れにくいものに変えるなど『入られない工夫』をして総合的に守ることが大切です」
(続けて)
「高学年になれば受け答えもはっきりできるようになるので、『親は忙しく手が離せない』『あとで連絡するので連絡先を教えてください』など不在を悟られないようにしつつ、個人情報などを伝えないようにするのが重要です。最近、いわゆる『アポ電』やオレオレ詐欺のような特殊詐欺も手口が巧妙化していますので、知らない人の電話には深く関わらず、すぐに切るようにしてください」
-インターホンが鳴った場合は?
「宅配業者を装った事件も実際に起きていますし、インターホン越しに話し、近所のよく知っている人や家族以外、鍵は開けないのが原則です。知らない人にはリスクがあるというのを、日ごろから伝えておいていただきたいと思います」
-親子でできることは。
「最近では、一見それとは分からないような子ども用キーケースなども増えています。鍵や名前を見えるところに着けない。家に着いたら親がいなくても『ただいま』と大きな声で言い、すぐ施錠する。何かあったときの連絡先を決める-など、学校が始まる前までに、親子でいろんな場合を考えてどう対応するか話し合っておくのがよいと思います」
世知辛い世の中になったと悲しい気分にもなりますが、子ども自身が自分の身を守るすべを知っておくようにすることが何より重要だ、と感じました。(神戸新聞・広畑千春)