除草がつらいならヤギを借りればいいじゃない 広がるヤギのレンタル事業
私はヤギを飼いたい。そしてあわよくば伸び放題になった草を刈って(食べて)もらいたい。人間、長く生きていればそんなことを思う日もある。でもウチ、農家でもなんでもあらへんし…。大丈夫!そんなときは、そう、ヤギレンタルだ!
「燃料使わず草刈り代行!」
「CO2削減・防音低減・貴社のCSRに!」
ドレスや家電、ベビー用品など多種多様な商品のレンタルを行うDMM.comのサービス「いろいろレンタル」が2016年に始めたのが、なんと、生きたヤギのレンタルである。「なんでも借りられるというコンセプトを認知してもらうにはもってこいだと考えてスタートしました。なにより、ヤギはかわいいですからね!」と担当者。4月6日にサービス開始を発表したところ、ツイッターでは「エイプリルフールならもう終わってるぞ」といったコメントが寄せられるなど、冗談だと勘違いする人もいたという。
だがこのヤギレンタル、実はすでに様々な会社や農場が実施しているれっきとした商売なのだ。DMM.comの提携先で、緑化工事などを手掛ける有限会社アルファグリーン(横浜市)が法人向けにヤギのレンタルを始めたのは2006年から。これまでに自治体や団地、大学などの利用実績があるといい、2012年には「山羊を用いた緑化造成地および遊休地の刈込み管理法」の特許も取得。公式サイトでは「労力の緩和や廃棄物・CO2の排出低減が実現できる、人と地球に優しい工法です」などと謳っている。
いち早く事業を始めた狙いについて、同社の池崎真社長は「もう道路建設などの大規模工事の時代は終わり、これからは維持管理が重視されると考えた」と語る。近年は競合他社も相次いで出てきているが、「貸し出し先には定期的にスタッフを巡回させているし、うちは動物の扱いに関する法令をきちんと順守するよう心掛けている」。同社では現在100頭近いヤギを飼育しており、年間40件程度の貸し出しを行っているそうだ。
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それはそうと、DMM.comのハジけ具合は味わい深い。ヤギによる除草を「エコ除草」と呼び、「除草剤を利用しないので安心!」「場所を選ばず除草可能!」などと力強くアピール。そりゃそうだろうという気はするものの、その有無を言わせないテンションと自信にいつの間にか納得させられてしまうのだから、ヤギは本当に素晴らしい生き物ですね。(神戸新聞・黒川裕生)
▼DMM.comの「ヤギレンタル」 https://www.dmm.com/rental/iroiro/tieup/yagi.html/
▼アルファグリーン http://www.a-green.org/