GW10連休、家族が夜の介護に参加できるとしたらお願いしたい3つのこと
30歳過ぎから、認知症祖母の在宅介護を6年ほど続けてきました。その中で特に大変だったのが、夜から朝方にかけての介護です。オムツ交換にトイレ誘導、尿もれを起こした時は着替えやシーツの交換も必要です。慌ただしく対応し、やっと眠れると思いきや、今度は空腹を訴えて何度も起こされ、一睡もできぬまま朝を迎えることもたびたびでした。日中は働いているので、体力的にも精神的にも大変厳しかったのを覚えています。
普段仕事や育児で忙しく、介護に協力しようと思いながらも、夜のお世話を特定の家族にお願いしてしまっている方もいらっしゃると思います。ゴールデンウィークの10連休はいい機会です。ぜひ一緒に夜の介護に取り組んで、少しでも主介護者の負担を少なくしてみてあげませんか。筆者が在宅介護をしていた時に、手伝ってもらいたかったことを3つ上げてみました。
■ オムツ交換:主介護者以外だとスムーズに行く場合も
在宅介護をしていた当時、午前0時ごろになると祖母のオムツが一杯になるので、新しいオムツに交換していました。しかし祖母は「なんでそんなに(オムツ換えることに)必死なんかいな。眠いから明日にして」と、拒否することが少なくありませんでした。一方、筆者以外の家族が交換したり、施設に滞在している時には、割と普通に応じていました。
主介護者に対しては、本人も自我が出やすいので、甘えたり、怒ったりしがちです。いつもと違う家族がオムツ交替をサポートするだけで、スムーズにできるようになることがあります。時間的な負担も減らせるかもしれません。
■ 尿もれの対応:役割分担で慌ただしさを軽減
どうしても日によって尿の量の差があるので、オムツを替えるのが間に合わず、尿もれを起こすことがあります。その時は急に慌ただしくなります。シーツ、掛け布団、洋服、オムツ・パッドを交換したり、トイレができたかの確認や、身体を拭く手伝いをしたりなど、複数のことを同時にこなさないといけません。
そのような時、寝具や衣服を交換する係、トイレを見守る係など、役割分担ができると、とても心強いです。排泄にまつわる介助は、介護される側にもデリケートなものですが、対応に余裕ができれば、今まで以上に適切な配慮ができるかもしれません。
なお、祖母の時には、ケアマネージャーや周囲に勧められた「尿もれシート」が効果的で、尿もれを大幅に減らすことができました。困った問題があれば、いろいろな方に相談に乗ってもらうことも大切です。
■ 間食への対応:自分のペースで仮眠が取れるよう調整を
また、夜中の間食にどう対応するかで悩んでいる介護者の方は多いと思います。
在宅介護していた時の祖母は午後6時ごろ夕食を取っていましたが、夜中に空腹を覚え、午前3時ごろから朝方まで、何度も筆者を起こしました。
「お腹すいた、何か食べ物ないの」と言われ、食べ物を出しても、食べたことを忘れてしまうこともたびたび。健康でいてほしいので、これ以上の食べ物はないと断ると「なんで意地悪するの」と怒ります。そんなやり取りが日々繰り返され、心身疲弊していました。
もし協力者がいれば、交代で本人が空腹になる前後に食べ物や飲み物を提供したり、話を聞くことが可能です。主介護者は自分のペースで仮眠が取れるようになるでしょう。
なお、本人の空腹時に備えて、おにぎり、かぼちゃ、みかん、いちごなど、小分けができる食品を用意しておけば、起こされる回数は減るかもしれません。筆者は家中の食べ物を隠しておく一方、祖母が好きな食べ物を少しだけ冷蔵庫に入れておくことで、仮眠時間を確保していました。
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ちょっとした役割分担ができたり、交代ができたりするだけで、介護の負担感は大きく変わります。ぜひできることから挑戦してみてください。
(まいどなニュース特約・奥村シンゴ)