「あの宝塚音楽学校で学びたい」と集う少女たち 「附属校」で入学式
清く正しく美しく-。20倍以上の超難関を突破した未来のタカラジェンヌたちが、日々芸に磨きを掛ける宝塚音楽学校。実は、その教室で毎週日曜日、バレエなどを学べる「附属校」があるのです。真矢ミキら数多くのトップスターも輩出した、いわば習い事の中の習い事ともいえる「宝塚音楽学校附属 宝塚コドモアテネ」。29日には、OGの講師陣も見守る中、38人の少女が目を輝かせ入学式に臨みました。
宝塚コドモアテネは昭和に入って間もない1932(昭和7)年9月に、「子どもたちの芸術面の能力を円満に育成するとともに、正しい成長を期待」して創立されました。その理念は今も変わらず、「宝塚音楽学校の校舎、設備、講師陣を活用し、明るさと学ぶことの楽しさ厳しさを知ってもらい、地域社会に貢献できたら」(同校)といいます。
募集定員は、小学4年~中学2年までの約40人。宝塚音楽学校と同様に男子は入れません。さぞ入るには難しい試験が…と思いきや、定員は毎年約40人で、応募多数の場合は抽選になるそうです。運も実力のうち、なのかもしれません。
授業は毎週日曜日の午前9時半~午後2時40分、80分1コマで、声楽、クラシックバレエ、日本舞踊の3科目を基礎から学びます。費用は入学金3万5千円と月1万5千円。制服代などもありますが、バレエと日舞と声楽のレッスンを一度に、この場所で、この講師陣から学べるには破格の値段! 1月には「勉強会」という発表会もあります。
かつて、受験スクールのないころは卒業生から宝塚音楽学校に合格する人も多くいましたが、今や群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)の時代。「音楽学校の試験は、コドモアテネと無関係です」(同校)といい、受験のためというより、何よりタカラヅカの「空気」や美しい身のこなしにあこがれて…という人が多く、東京や広島、三重から通う生徒もいるそうです。
さて、今年入学した令和1期生となる38人は、宝塚音楽学校の制服のデザインに似た茶色の制服に身を包み、緊張した面持ちで式に臨みました。1人ずつ名前を呼ばれ、伊木常雄校長(宝塚音楽学校校長代行)のあいさつに聴き入り、宝塚音楽学校と同じ校歌を斉唱。その姿は、タカラジェンヌの卵の卵のようにも。4歳からバレエを習っているという大阪市の中学1年女子生徒(12)は「まだまだ実力不足。基礎からしっかり身に着けたい」。宝塚歌劇の大ファンといい、夢の学校の校舎や雰囲気に、ジェンヌへの思いを新たにしていました。
そうそう、宝塚音楽学校の生徒といえば日常生活でも「清く正しく美しく」を追求することで有名ですが、それは「宝塚コドモアテネ」の生徒も同じ。常に見られているという意識を持ち、品位を傷つけないことも求められるそうです。身も心も美しく、何より体も大切に。頑張ってくださいね!
(まいどなニュース・広畑千春)