安田純平氏、日本政府による救出説や身代金報道を否定 「生存証明」がない
ジャーナリストの安田純平氏(45)が3日、ツイッターを更新。安田氏はシリアで2015年に拘束され、昨年10月、3年4カ月ぶりに帰国したが、改めて日本政府による救出を否定する持論を連続投稿した。
安田氏は「香田さん、後藤さん、湯川さんを救出しなくても内閣支持率が上がる国が、支持されてきた方針を変えて救出?救出したならなぜ3年4カ月もかかった?交渉に必須の生存証明をなぜ一度も取らなかった?事実に基づいた分析も検証も何一つされていない」と、04年の香田証生さん(イラク)、15年の後藤健二さんと湯川遥菜さん(シリア)といった過去の例を挙げながら非難した。
身代金が払われたとする報道に対しても、安田氏は反論。「拘束者が帰そうと思えば帰すし、殺そうと思えば殺す。その決定は組織によっても違う」と説明した上で、「『身代金なしで解放されるわけがない』というのはただの思いこみでしかない」と指摘した。
安田氏は人質をとった組織との交渉には、その人質が生きているという「生存証明」が必要だと力説。その前提で「日本政府がそのための証明を取る準備しながら使わなかったのは、交渉しないという決定があったからとしか解釈しようがない」と主張した。さらに、「生存証明なしで払うなんて、どの国が仲介しようと立て替えようとそれこそあり得ません」と、カタールが身代金を払ったという説も一蹴した。
安田氏は「本人に分からないように生存証明をとるとしたら、拘束者と『捕まえてる?』『捕まえてるよ』『生きてる?』『生きてるよ』『分かった!信じるよ!』というやりとりで証明された扱いにして金を払ったことになりますが、私は日本政府がそんな杜撰(ずさん)なことをするとは思えません」と皮肉を込めながら、生存証明がとられていないため、身代金も払われていないと訴えた。