【須田慎一郎のマネー論】萩生田発言は首相の意向!?消費増税延期でダブル選挙も
果たして今年10月1日に消費増税は実施されるのか、どうか。
ここへ来て、にわかに消費増税の行方に大きく注目が集まるようになってきたと言っていいだろう。そのきっかけとなったのが、政界では「安倍首相側近」と目される、萩生田光一幹事長代行の発言だった。去る4月18日、萩生田氏はインターネットTV番組「真相深入り!虎ノ門ニュース」に出演し、消費増税に関連して以下のように発言した。
「(消費増税の)前提は景気回復だ。6月の日銀短観などの数字を見て、危ないぞと見えてきたら、崖に向かってみんなを連れていくわけにはいかない」
この発言を素直に読み解けば、景気動向次第では増税延期も十分にあり得るということに他ならない。そしてこの発言が、「首相側近」のものだっただけに、永田町内外にそれこそ大きなハレーションを起こすこととなった。
もっともこの発言に関して言えば、すぐさま菅義偉官房長官や二階俊博自民党幹事長があわてて火消しに回り、結果的に政府・与党サイドは完全否定のスタンスに終始したのだ。
しかし、それでも増税延期論が、くすぶっていることも事実だ。
それというのも、「萩生田氏は、安倍首相の意向を受けて、あえてあの発言を行った」という見方をする関係者が多いからに他ならない。そもそも安倍首相の周辺には、増税反対を唱えるブレーンが数多く控えている。そうしたブレーンたちの影響を考えると、安倍首相が増税延期に踏み切る可能性は十分にあると見ていいだろう。
そして増税を延期する場合には、衆院選とワンセット、つまり参院選とのダブル選挙になる公算は大だ。
とは言え安倍首相自身、そのことについては一切何も言及していない。果たして安倍首相の真意はどこにあるのだろうか。
いずれにしても増税延期となった場合には、マーケットがそれを好感して、株価が大きく上昇することは間違いないだろう。
ここしばらくは、安倍首相の一挙手一投足から目を離せない。(ジャーナリスト・須田慎一郎)