冷却特殊車両、愛犬用「冷やしわんこ」などなど…猛暑列島を冷やす注目グッズ
まだ5月だというのに、先週末は日本各地が記録的な猛暑に見舞われた。この調子だと、今年の夏も命の危機すら感じる暑さは避けられそうにない。そんな夏本番を控え、このほど大阪市の中小企業支援拠点「大阪産業創造館」(大阪市中央区)で「猛暑・夏の災害対策製品展2019」が初開催された。熱中症対策、冷感グッズ、防災グッズはもちろん消臭グッズまで、関連企業31社が出展。その現場をのぞいてみた。
会場には関西を中心としたユニークな企業が大集結。昨夏が記録的な猛暑で災害も多発したことから、例年以上に注目度は高い。出展側が販路拡大を目指す一方、バイヤー、小売り、卸売業者、企業や商社の担当者らもオープンと同時に熱心に見て回り、ところどころで商談に発展。また学校関係者や企業の福利厚生担当者なども訪れ、展示品の説明に耳を傾けていたのが印象的だった。
ひと際目を引いたのは、熱中症対策の決定版と題した直径51センチの大型ミストファン「パワーブリーザー」だ。エイスインターナショナルトレード株式会社(東京都中央区)が出展したもので、ミストで空間温度を下げ、風で体感温度を下げる仕組み。これで熱中症、熱疲労からから身を守ることができるという。東京五輪の暑さ対策に最適では?と同社の投野義和さんに向けてみたが「権利関係で難しいんですよ」と苦笑い。なぜか「アメリカ製で今年のNFLスーパーボウルでも使われていました。甲子園球場で使ってもらえないでしょうかね」と相談された。
三協エアテック株式会社(大阪市北区)が提案したのは、4トントラックに強力パワーの空調機と電源を搭載した大型の屋外屋内冷却特殊車両だ。「車両の名前は“エアタイタン”といいます。強そうな名前。うちの社長が命名しました」と同社の石塚ちひろさん。コンサートやゴルフトーナメント会場などの広い空間を意識したもので、災害発生時にも避難所となる体育館内を短時間で冷却可能。石塚さんは「設置すぐに冷やせるのが強み」とし「甲子園を冷やしたい」と、こちらも“甲子園進出”に色気を見せた。
他にクールスマイル(大阪市東淀川区)が開発した「室外機も工事不要で、置くだけのコードレスで空間を冷やせるバケツ型エアコン」(担当社)なども“おやっ”と思わせたが、室内で飼育する愛犬の熱中症対策として簡易エアコン機能がついたMRTのアルミプレート・ケージ「冷やしわんこ」もほほえましい逸品。担当者は「暑さに弱いミヤマクワガタにはこれ」と冷蔵庫型の製品まで紹介してくれた。
他にも、災害グッズやおやじ臭が気になる人への防臭グッズなど役立ちそうな製品がズラリ。初の試みに、訪れた人からは「どれもこれも気になるものばかり」と軒並み好評で産業創造館の担当者も「これを機に新たな商品が開発されれば」。暑さ対策がテーマだったが、会場内は熱気ムンムンだった。(まいどなニュース特約・山本智行)