マンション受水槽で泳ぐ不適切動画が炎上 莫大な賠償や慰謝料も…小川泰平氏が指摘
福岡県内にあるマンション屋上の受水槽で、若い男性が上半身裸で泳いでいる動画がSNSで拡散して大炎上していることを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は18日、デイリースポーツの取材に対し、損害賠償など民事の請求が大きくなることを指摘した。
この動画は今月、短編動画サイト「TikTok」に投稿された後、ツイッターに転載された。さっそく、問題になっている動画をチェックした。
受水槽の上部には撮影者と“インタビュアー”がおり、水中には黒い水着のパンツのみを身に着けた男性が入っている。上から「気持ちいい?」と聞かれた水槽内の男性は「むっちゃ気持ちいい」と満面の笑顔を浮かべて右手でVサイン。すると、上の男性も笑い声を漏らしながら「受水槽の中で泳いでま~す」と解説し、水中に立っている茶髪で口ひげを生やした男性も無邪気に笑ってフェードアウトする。約15秒の映像だった。
ツイッターでは「マンションの飲水を貯める場所の中に入る人。本当に迷惑」「最悪だな」など批判コメントが殺到。3人いるとみられる男性のうち、水中に入っていた男性の身元を特定するツイートもあった。威力業務妨害罪(3年以上の懲役または50万円以下の罰金)や水道汚染罪(6月以上7年以下の懲役)に問われることも考えられる一方、マンションの住民や管理者らに対する損害賠償や慰謝料などが民事で争われる可能性がある。
小川氏は「マンションの屋上に入っただけで『建造物侵入』ですから、当然、逮捕される可能性もあるが、それよりも、民事の請求が驚くほどの額となってくることを覚悟しなければならない。このマンションに住む20世帯の人たちにとって、受水槽が清掃のために使えなくなる間、飲料水や炊事、お風呂の水はどうするのか。その間、入居者がホテルで生活することになるなど、いろいろな費用が請求されることになり、相当な金額になるでしょう」と指摘した。
飲食店やコンビニエンスストアなどでアルバイト店員が勤務先の商品や器具などを使って悪ふざけして撮影し、その動画をSNSに投稿する「バイトテロ」が相次いで発生し、社会問題化している。
小川氏は「バイトテロの追跡取材をしてきたが、民事で数千万円を請求された例もある。訴えられたバイト店員は学生が多かったので、親御さんが相当な金額(数百万単位の金額)を払って和解をしたことも確認している」と、問題化した後は“加害者”となった当事者の家族らが金銭的な負担をかぶっている状況を明かした。
さらに、同氏は「バイトテロに関わった学生の中には就活ですべて落ちた人もいた。SNSでの拡散のスピードは驚くほど速く、会社側にもその情報が入っている。本人がいくら消しても、もう消えないのです」と警鐘を鳴らした。軽いノリで撮影して拡散した不適切動画のために、一生、その愚行の代償を背負わされて生きていくことになりかねない。