お笑い界だけじゃない、アイドル界にはびこる闇営業…八幡愛が「ギャラ飲み」を解説

20代前半にグラビア活動を経験…ギャラ飲みについて解説する八幡愛
飲み会にお金を払って女性を呼ぶ…なんて、コンパニオンと同じじゃないかと思われるかもしれませんが…(Monet/stock.adobe.com)
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 お笑いコンビ・カラテカの入江慎也が、大規模振り込め詐欺グループの忘年会に芸人たちを仲介していたことが報じられたことをきっかけに、近ごろ芸能人の闇営業が話題になっています。闇営業とは事務所を通さず仕事をしてギャラを直接もらうことを指しますが、仲介人を立て高額なギャラを出演者で分け合うといった明らかな営業のほかにも、知人のパーティや結婚式などの催しに出かけた帰りにお車代をもらうというものまであり、さまざまです。

 私が見てきた、アイドルやグラビアアイドル業界でも、業界特有の「闇営業」があります。

 数年前から「ギャラ飲み」という言葉が使われるようになりましたが、皆さんはご存知でしょうか。

 2~3時間の業界関係者の飲み会にアイドル達が参加し、お車代として謝礼をもらうというものです。一般的な相場は、知名度があまりないアイドルで1万~2万円。雑誌のグラビアページに載れるような子で3万~5万円。テレビに出演しているような人気アイドルで10万円、といったところでしょうか。

 飲み会にお金を払って女性を呼ぶ…なんて、コンパニオンと同じじゃないかと思われるかもしれません。しかし、自身の活動収入だけではとても食べていけないし、雑誌に載れるようになってきたのに今更アルバイトなんてできないし…といったアイドル達には、とてもありがたいシステムなんです。

 次の仕事に繋げるための出会いや、パトロン探しを兼ねて参加する子もいるので、飲み会参加者の中に有力な人がいれば、売れている子でも金額に関係なくやってきます。

 私は20代前半にグラビア活動をやっていましたが、本当に稼げなくて困った経験があります。ネット配信番組に出演してもノーギャラは当たり前。撮影会に参加してお客さんを呼んでも、主催者からギャラが支払われなかったり、もらえても拘束時間で割ると時給500円くらいだったこともありました。とても芸能活動だけで生活なんてできませんでした。

 業界に顔を売ってあげるから…というお車代無しの飲み会には声がかかっても、残念ながらギャラ飲みに誘われることはありませんでした。しかし、誘われていたら私もきっと参加していたでしょう。

 ギャラ飲みのシステムは飲み会だけに留まりません。当時知人だったモデルの子は、ほかのモデル仲間たちと、某レコード会社の人たちとハワイ旅行に行っていました。

 モデルたちの旅費は主催者が負担してくれます。自分で行くお金なんかないのに、「仲間同士でハワイに来た」というSNS投稿が出来るし、芸能人として充実した姿をファンに見せることができると言って、みんな喜んで参加していました。

 どこまでの接待を求められる旅行だったのかは聞けませんでしたが、世の中そんな甘くはないので、旅行に限らず普段の飲み会でも、口説いてくる人がいたり、酔っ払って絡まれたりのリスクは当然あります。

 中には暗黙の了解で最後までセットの飲み会もありますが、そこは自己責任。自分で判断して後悔ないように、いかに世渡りをしていくかが試されます。飲み会に行くまで誰がいるのか分からないケースもあるので、反社会的勢力の人たちでないかどうかも慎重にならなくてはいけません。

 様々なリスクを抱えながら、アイドルたちは今日もどこかでギャラ飲みに参加しているのです。

◆八幡愛(やはた・あい)兵庫県出身。関西を中心に活動するマルチタレント。FMラジオやインターネット番組にレギュラー出演する傍ら、テレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル 詐欺&盗聴の最新悪質手口徹底的にバラしてやるSP」などのテレビ番組で「盗聴ハンター」としても活躍中。2018年に犯罪防止や犯罪者の更生に寄与した人を表彰する作田明賞を最年少で受賞するなど、社会問題へ強い関心を持つ。公式Twitter:https://twitter.com/aiainstein

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