保護した子猫はじゃじゃ馬、本当は甘えん坊なのに…猫パンチ&噛みつき
野良猫にエサをあげていたら、ある日、小さな相棒を連れてやってきた。子猫は保護しないと生き延びることが難しいので保護したが、意外と大きくてやんちゃな猫だった。
静岡県で暮らす植松さんの母親は、植松さんが幼少期の頃より個人で猫の保護活動をしている。その影響を受けた植松さんも母親と同じように猫の保護や譲渡、TNRをしている。
母親は、庭先でオスの野良猫にご飯をあげていたのだが、ある日、その野良猫が小さな猫を連れてくるようになった。植松さんによるとご飯をあげていると、そういうことがあるそうだ。成猫のほうは捕獲して去勢手術をして、まだ幼い猫は里親を探すことにした。
子猫だと思って捕獲器を設置したが、いざ捕まえてみると思っていたより大きな猫で、生後4カ月くらいだった。
自宅に猫を連れ帰り、動物病院で診察してもらうと、前脚を複数箇所ケガをしていて、膿んでいる傷もあった。獣医師によると、おそらくエサ場争いをして、他の猫に噛まれた時にできた傷だということだった。
2週間後、再び前脚の上のほうが腫れてきたので診察してもらうと、そこにも傷があり、化膿していたので治療した。
野良猫は交通事故やカラスの襲撃に遭うこともあるが、猫同士の喧嘩も多いので、その傷が原因で感染症にかかって命を落とすこともある。1カ月後、猫エイズと白血病の検査をしたが、幸い陰性だった。
植松さんは、ルフィーちゃんと名付けて里親を探そうと思ったが、結局、自宅で飼うことにした。
「猫は、4歳にもなるとはっきりと自我が確立されているので、野良猫だった子はなかなかなつきません。里親を探そうにも、臆病なので猫パンチは飛んでくるし、噛み付いてくることもありました」
2年の月日を経て、いまは触らせてくれるが、抱っこしたり、爪を切ったりすることはできない。動物病院に連れて行く時は、必ず洗濯ネットに入れないといけないが、入れるのにも手間がかかる。もし、譲渡するにしても、ルフィーちゃんのそうした行動に理解を示してくれる人でなければうまくいかない。
「臆病だから攻撃的な行動に出ることもあるんですが、本当は甘えん坊。チュールをあげながら『大丈夫だよ』と言ってなでてあげると、リラックスしているのが分かるんです」
(まいどなニュース特約・渡辺陽)