超多忙女優・西田尚美も驚いた、「神様みたい」香取慎吾の人間力と俳優力
日本で一番危険な映画監督・白石和彌(44)と国民的俳優・香取慎吾(42)が初タッグを組んだ、映画『凪待ち』(6月28日公開)。ギャンブル依存症の郁男(香取)を支えながらも悲劇に見舞われる内縁の妻・亜弓を、売れっ子バイプレイヤー女優の筆頭である西田尚美(47)が好演する。初共演の香取から「すごく好き」「現場にいると安心して嬉しくなる」と太鼓判を押された西田が、撮影現場で目撃した香取の凄まじき人間力を明かす。
芸歴26年も「香取さんは大スターですから、お会いする前はものすごく緊張しました」と素直に打ち明ける西田は「でも実際にご一緒して感じたのは『香取さんって神様みたい!』ということ。オーラというか何でも許してくれるような、包み込んでくれるような包容力を感じて。初共演にもかかわらず、懐に入れてくれるような空気感をすぐに作ってくれた」と器の大きさに驚かされた。
そして人間力にも。石巻にある民家を借りてのロケでのこと。「撮影で人が沢山いてお手洗いを借りられずにウロウロしていたら、香取さんが『隣の〇〇さんの家で借りれば?』と。私が『とんでもない!』と言ったら、『大丈夫だよ。お魚とか美味しいものを食べさせてくれたし』と。もうビックリ」と香取の行動力に驚き顔。香取の地元民への馴染み方は「もはやご近所さん」状態で「実際に連れて行ってもらったら、香取さんはリビングに入って、その家の方と世間話を始めたんです。立ち振る舞いも威圧的ではまったくない。スッと入ってその場の空気の中に溶け込んでしまう感じ。あまりの自然さに、素敵な人だなぁと感心しました」と振り返る。
気取らないフランクさの一方で「撮影ではそんな“香取慎吾”ではなくて、髪の毛もボサボサのやさぐれた郁男そのもので石巻の海風に吹かれていた」と俳優としての馴染みぶりにも目を見張る。
共演場面で思い出深いのは、連絡の取れなくなった娘・美波(恒松祐里)について激しく言い合う車中でのシーン。「香取さんのお芝居もしかり、セリフとセリフの間にある空気感と感情がリアル。作り物だけれど本当の喧嘩をしているような、芝居感のない臨場感がある」と見どころに挙げて「白石監督の演出もわかりやすくて、お互いにアドリブも出たりして、悶々とピリピリしている感じが上手く出せた。香取さんが上手く受け止めてくれたおかげです」とベストバウトに胸を張る。
2019年上半期の出演作が10本を超える日本で一番忙しい女優、西田の感情の起伏を表す妙技も本作のアクセント。郁男に対する慈愛が作品全体を包む。「オイシイ役どころですよね」と悪戯っぽく笑いながら「演じる上では無意識というか、計算はせずに相手やその場の状況から引き出されて演じているような感覚。娘・美波の頬を打つシーンは普段やらない分、難しかった。頭で考えると上手くできないので、セリフとその場の展開に身を任せました」。自然体から生み出された西田演じる亜弓の実在感。香取の太鼓判の理由も、スクリーンを見ればわかる。(まいどなニュース特約・石井隼人)