女性殺害の被告に懲役17年は軽過ぎる…被害者の長男死体遺棄との関連性は?小川泰平氏が指摘
神奈川県相模原市の墓地で東京都新宿区の阿部由香利さん(当時25)の遺体が見つかった事件で殺人罪に問われた元交際相手の佐藤一麿被告(33)が10日に東京地裁で行われた裁判員裁判で懲役17年(求刑18年)の判決を下された。この判決を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は11日、当サイトの取材に対し、刑期の軽さを指摘し、現時点で関連性を断定はできないが、行方不明になっていた阿部さんの長男が遺棄されていたことも付け加えた。
検察側は、佐藤被告が13年、別に交際していた20代の女性に指示して睡眠導入剤を購入させ、阿部さんに飲ませた上で首を絞めて殺害後、遺体を女性の自宅に移してから相模原市内の墓地に運んで埋めたと主張。この事件は15年、女性の供述によって墓地から阿部さんの遺体の一部が発見されて発覚。死体遺棄容疑で佐藤被告と女性が逮捕された。一方、弁護側は阿部さんが自ら睡眠導入剤を大量に飲んだ自殺などの可能性があるとして無罪を訴えていた。
検察側は、阿部さんの歯に窒息死とみられる変色があったことなどから強固な殺意に基づく犯行と指摘。小川氏は「睡眠導入剤によって意識がなくなった後、殺害されたとみられています」と解説した。
小川氏は今回の判決について「私は求刑からして全然納得できない。17年は軽すぎます。被告は満期で務めても50歳で出てくるが、被害者の方は戻って来ない。18年という求刑に対しては比較的重い判決かもしれないが、その求刑自体ももっと考えてもいいのでは」と私見も加えた。
さらに、小川氏は「阿部さんには長男がいました。16年ごろ、川崎市麻生区の畑でご遺体が発見されている。その件についてはまだ捜査中なので、誰が容疑者か、殺人事件かどうかも断定できないが、死体遺棄であることは間違いない。捜査は継続されている」と指摘。07年から行方不明になっていた06年生まれの長男の歯や骨が発見されている。