むろと廃校水族館が販売開始した“魚拓サンダル”が”話題 トランプ流PRでニンマリ

水に濡らして乾いた道路を歩くと魚拓を残すことができる。砂地を歩くたびに魚拓ができて、ビーチでは人気を独り占めできるかも知れない。そんな遊び心満載の “魚拓サンダル”が”話題になっている。このサンダルに限らず、実は販売する商品が次々と売れているという。低コスト&知名度アップのため、米トランプ大統領の発信力を参考にしているというから驚きだ。

むろと廃校水族館の公式ツイッターが今月27日「新商品です。夏と言えばサンダル。1足でもサンダル。底を濡らして歩くと魚の跡が…。ウロコもくっきり。鳥さんビックリ。我々は魚拓サンダルと呼んでいます。正式な商品名は何だろ…(←聞けよ)サンダルなので下駄箱に並べています。1足(2匹?)1,200円です」と投稿すると「いいね」が3万800を超えた。

「これいいなぁ雨の日に履いて建物の中に魚拓描きたい」「これみたら、『うお!』って驚くかも」「通販して下さい!」とユーザーは購買意欲をかきたてられたように反応した。

■むろと廃校水族館とは

高知県室戸市室戸岬町にある「むろと廃校水族館」は2018年4月26日に廃校となっていた旧椎名小学校を改修してオープンした。「ローコスト」を合言葉に手作り感満載の水族館である。“魚拓サンダル”も学校らしく下駄箱に陳列して販売している。また、くもった水槽をふくのはお客さんの役目で、ぞうきんを水槽近くに設置している。学校の25mプールだった屋外大水槽にはサメ、カメ、ボラ、サバが泳いでいる。人工的な光を通して魚を見るのではなく、漁師が海で「サバ=青い」と見るように太陽の下で自然な色を見ることができる。普通の水族館とは一線を画す「むろと廃校水族館」の若月元樹館長に話を聞いた。

■ネットショッピングより安く販売

--“魚拓サンダル”が話題になっています。どういうきっかけで開発を?

「これウチのオリジナルじゃないんです。いろんな卸業者が来て『この商品どうですか?』と持ってくるんです。ただ、商品選びは自分たち。このサンダルもそうですが、売ろうと思って売っていません。スタッフがこれ欲しいと思う商品を実際に販売しています。同じサンダルはネットでも買えますよ」

--そうなんですか。ネットでも…ちょっと待ってください。(パソコンで検索→ポチッ)これですね。商品名は“魚拓サンダル”ではなく、お魚サンダル、略して魚(ギョ)サンですね。しかもネットの方が1500円と高いのですが、合ってます?

「はいウチは1200円で売ってます。せっかくへき地まで来てくださってくれていますから、お客さんに喜んでいただきたいと思いまして…昨日(28日)はさっそく11足売れました。“魚拓サンダル”は正式な商品名ではないのですが(人気が出るか出ないかは)ネーミングひとつですね。カメボコなんかもそうですしね(今年4月に販売、カメの形をしたかまぼこ、1匹250円)。大ヒットしました」

■「飼育員らくらくシステム」とは

--なるほど。変わった取り組みと言えば、水槽のそばに「水槽についた水滴を飼育員の代わりにふいてください!お願いします!」という貼り紙とぞうきんが置いてますね

「そうです。お客さんも喜んでくれています。名付けて、飼育員らくらくシステムです。ローコストを実現するために他にもいろいろなことをしています。例えば入館料ですが、団体割引や年間パスポートのようなものは一切やっていません。やろうとすると、管理したりして経費がかかりますよね。その代わり大人600円、子ども300円と安くさせていただいています。それとネットでの発信ですが…」

--ホームページとか、ツイッターのことですか?

「ウチはツイッター一本なんです。ホームページもやっていませんし、フェースブックもやっていません。やったとしても、だいたい同じ内容になるでしょ。それにコストがかかる。トランプが何かつぶやいたとき、ニュースになるのはツイッターじゃないですか。だから私どももツイッター一本にしました」

むろと廃校水族館が発信するときにお手本としているのは米トランプ大統領だったとは…恐るべし。ハッ! 確かにツイッターを見た記者が現に館長に取材してこうして記事を書いている。むろと廃校水族館の作戦通りか。

(まいどなニュース特約・佐藤利幸)

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