「どうせお母さんがあらうんでしょ」ツンデレ感満載!Tシャツの洗濯表示タグが話題
「なんであなたがこれを読んでいるの? どうせお母さんがあらうんでしょ。」…そんなことが書かれたTシャツの洗濯表示タグがSNSで話題になっています。翻訳されたみたいな文体ということもあり、海外のジョークのようですが、この「ツンデレ感」は何でしょう…。ちょっと嘲笑した雰囲気で、人を切なくさせるようなフレーズに、「面白すぎです」「今年のライトノベル大賞ですかね」といった声が寄せられています。
話題になっているのは、ミオジョウ (Joe Mio)さん(@jmworks)のツイートです。「Tシャツのタグ、どんなメッセージよ笑」とのコメントとともに、発見されたタグの画像を8月14日に投稿。16日までに6万近い「いいね」が付いています。
タグには「多少色落ちする事がありますので、他の物とのお洗濯はお避けください」「乾燥機のご使用はお避けください」など、濃い色のおしゃれ着にはよく書かれていそうな注意書きが並んでいます。しかし続けて読んでいると、最後の2文だけが冒頭で紹介したような、超フランクなトーンになっています。ミオジョウさんに投稿した経緯などを聞きました。
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-すごい洗濯表示タグの付いたTシャツですね。
「Tシャツは父親が着ているものです。父親がトイレで座っているとき、ふと着ていたTシャツの洗濯表示タグが気になり、なんとなく読んでみたら、変わったことが書いてあるのに偶然気が付いたそうです」
「母親もそのTシャツはこれまでも洗濯していたはずですが、父親に言われて初めて気づき、Facebookに『こんなところにユーモアを込めた作り手に拍手』とタグのことを紹介しました。その内容を見かけて自分も面白なと思いTwitterに投稿しました。とてもバズっているので、母親には勝手にアップしてごめんね、とLINEで連絡しています」
-お父さんの着ているTシャツは具体的にどんなものですか。
「買ったのは20年くらい前です。サッカー・ポルトガル代表のルイス・フィーゴという選手がプレーしていたころに買った記憶だそうです。文字の部分がくり抜いてあり、裏から色の違う布を当てて表現するという、変わったデザインのようです」
…なるほど…だからこんなTシャツのデザインなんですね!…文字の部分などクローズアップを見ると確かに凝ったつくりです…。洗濯表示タグの取り扱いマークが入っているほうには「手洗い」などの指示もあります。
風合いを保とうと思えば、確かに洗濯に詳しいお母さんに洗ってもらうほうが安心なのでしょうね…いや、しかし、洗濯に詳しいのは果たしてお母さんなのでしょうか?…「どうせお母さんが洗うんでしょ」と断言されると、何か違うとも感じます。一方、これまでにのうのうと洗濯を家族にお任せしてきた立場からすると、自分の無能さを責められているような気もします。最初は冗談かと思いきや、見れば見るほど複雑な心境にもなるこの文面。なぜ付けられているのでしょうか…。
タグには服を販売していた会社名と電話番号が書いてありましたが、現在は使われていない番号のようで、直接真意を確認することはかないませんでした。
なお、ミオジョウさんのツイートに反応するかたちで、似たような英語の服のタグが紹介されていました。洗濯表示マークの下に、こんな文書が書かれています…「分からなかったら、ママに渡して。彼女ならどう洗えばいいか知ってる」。そして「あちらでは定番のジョークだったらしい」という声も。ただ、近年ではそう受け取ってもらえない場合もあり、性差別との指摘から企業が謝罪したケースもあるそうです。
そういった指摘に、ミオジョウさんは「ただこのタグ、お母さんに渡せ、というのと、ちょっとニュアンス違う気もするんですよね」とも返信。「宿題しなさいって言うと反抗してやらないように、たまには自分で洗ってあげてよってメッセージが隠れてるのかもしれませんね」と意見する人もいて、人によって受け止め方はさまざまなようです。
神戸にあるファッションをテーマにした公立美術館「神戸ファッション美術館」学芸課の担当者によると、「既製服のタグは不特定多数の人が読むため、現在では必要最小限の情報にとどめることが多い」とも話しています。
(まいどなニュース・川上 隆宏)