【半井小絵 空を仰いで】天候に左右される花火大会…花火師の技術に敬服

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 酷暑が続いた8月も下旬に入り、台風が気になる晩夏の季節に入った。気象予報士の半井小絵は、参加した花火大会を振り返り、夏の思い出をつづった。

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 8月も下旬に入り、強まっていた太平洋高気圧も弱まる傾向を示しています。これからは秋を感じる日も出てくることでしょう。しかし、南の海上は夏が続きます。

 台風が9月に日本列島に上陸したのは、去年までの10年間のうち8年(「2個」4年、「1個」4年)で上陸がなかったのは2009年と2014年の2年だけです。しかし、この年も10月にはそれぞれ1個と2個の台風が上陸しています。

 屋外のイベントは台風などの影響を大きく受けますが、この夏に参加した「なにわ淀川花火大会」の天気は快晴!昼間の酷暑と打って変わって夕暮れとともに心地よい涼しい風が吹いてきました。音楽に合わせて華やかに夜空を彩る連射の花火には会場が盛り上がっていましたが、私はシンプルな花火が好きです。ボン!という打ち上げの音の後に、どこまで空高く昇っていくのか、どんな大きさ形に開くのかを待つのがとても贅沢(ぜいたく)な時間です。

 花火大会開催の気象条件が気になって専門家に取材しました。公益社団法人日本煙火協会の河野専務理事によりますと、一番影響が大きいのが「風」だそうです。花火を打ち上げるには、安全を保つために玉の大きさによって、立ち入り禁止区域の範囲が設けられます。強風が吹くと、火の粉や火薬の燃えかすがその範囲を越えて落ちてくる恐れがあります。中止決定の風速は、開催の許可を出す都道府県ごとに規定があり、その基準によって大会実行委員会が開催するかを判断します。

 小雨では決行されることが多いのですが、大雨になると火薬が濡れて着火しにくくなります。低い厚い雲が広がっている時は、雨が降っていなくても花火が雲の上で開いて、地上からは見えないこともあるのです。

 花火の打ち上げは江戸時代初期に始まり、天下泰平や鎮魂・慰霊を願って行われました。子供の頃から賑やかな歓声の中に荘厳さを感じていたのはそのためだったのでしょうか。繊細で豪快な花火を作る花火師の方々の技術に敬服いたします。

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