「ウサギは寂しいと死ぬ」は本当か? それよりも大敵は「高温多湿」!日本の夏は大変そう…
「ウサギは寂しいと死ぬ」と言われることがある。そのために何匹かを一緒に飼ったり、出来るだけ留守にしないようにしている飼い主もいると聞く。でも、それはまったくのウソ、と言ってしまうと身も蓋もないんだけど、科学的な根拠はない。1990年代に放送された人気ドラマの中でそういうセリフがあって、それが元で広まったいわゆる都市伝説の類なんだそうだ。多くのウサギは鳴かないし、狭いケージの中でじっとしていることが多い。そんな寂しげな雰囲気と愛らしい姿が、ほっとけない気持ちにさせるのはわかるんだけどなぁ…。ただ、世話や相手をせずに放置しておくと、どんな動物でも具合は悪くなる。それは当たり前の話だ。ちなみに、ウチの“まる”は2泊3日の出張程度なら、多めに餌を入れておけば、普通にケージの中でおとなしく過ごしている。トイレとケージの中がきれいで、餌と水があれば、それぐらいは大丈夫のようだ。
■“個兎差”
他のペットでもあるように、ウサギにも“個兎差”がある。それはウサギの品種に関係なく、一匹一匹の性格のようだ。もともと、草食動物で捕食される側のウサギはおとなしくて慎重な性格だ。特にペットとされているウサギの多くは地下に巣穴を作って生活する穴ウサギがルーツなので、狭いところを好む傾向にある。でも、ウサギによっては広いところを走り回るのが好きなのもいれば、ただひたすらケージの中で寝ているのもいる。猫が甘えるように飼い主の布団の中に入ってくるのもいれば、ちょっと撫でただけで怯えるのもいる。オスとメスでも違うし、同じウサギでも子供のときと大きくなってからも性格は変わる。ウチの“まる”は、自由気ままに過ごしている。子供の頃は外に出たがったが、大きくなってからは狭いケージの中が好きだ。ドアを開けても自分からは外に出ようとしないし、無理やり抱っこしようとすると暴れる。特に爪切りの時はじっとしていないので、あの強力な後ろ足でガシガシ蹴られて、私の腕が傷だらけになる。ウサギの後ろ足キックは強力で、機嫌が悪い時などに足を勢いよく床に叩きつける“足ダン”の音の大きさに驚くが、時にはその衝撃で自分の足を骨折してしまうこともあるらしい。それぐらい自己主張が強いウサギもいるようだ。
■ウサギの大敵は高温多湿
今年も暑い夏が続いたが、ウサギにとって暑さは大敵。時にはこれで命を落とすこともある。今年の梅雨、急に蒸し暑くなった日があり、ウチの“まる”がぐったりとして動かず何も食べなくなった。ウサギは1日ぐらい何も食べないでいると、腸の動きが悪くなって、お腹の中にガスが溜まり、そのままにしていると死んでしまうことがあるらしい。慌てて動物病院へ連れて行き、点滴をしてもらって飲み薬5日分をもらってきた。診断では暑さやストレスで胃の動きが悪くなり消化器官内にガスなどが溜まる消化管鬱滞だろうとのこと。2~3日はあまり動かなかったが、粉薬を仕込んだりんごを食べさせているうちに元気になり、コロコロのウンチの大きさも元に戻った。それからは以前より多く藁を食べるようになり、元気いっぱいだ。ウサギはもともと乾燥した地域で育っていた動物なので、日本の夏のような高温多湿には弱い。逆に寒さには強く、家の中で飼っている限りは寒さで死ぬようなことはない。ウサギにとって理想的な温度は20度前後で、湿度は50%程度と言われている。日本の夏でそんな環境を絶えず作るのは無理だが、ウチではそろそろ年寄りになった“まる”のために、常にエアコンを26℃に設定している。なので、飼い主も快適な夏を過ごせている。
(サンテレビ特約・河野 嘉之)