大人しい印象だったメスの子猫 家を破壊するかと思うほどおてんばに
長年たった1匹で飼ってきたオスの猫、翔太郎くん。既にシニア猫だったが、多頭飼いしてほうがいいのではないかとメスの子猫「がんもちゃん」が新しい家族になった。保護主さんのところで見たがんもちゃんは大人しそうに見えたが、とても活発な子だった。
■初めての多頭飼い
愛知県に住む岡田さんは、翔太郎くんという保護猫を飼っていた。共働きなので留守にすることがあり、もう1匹猫がいたら翔太郎くんと一緒に遊ぶことができるのではないかと、2匹目の猫を探していた。
2018年9月、岡田さんは、ペットショップで里親募集中の貼り紙を見た。猫の保護活動をしている人が妊娠中の猫を保護したのだが、子猫が産まれたので里親を募集していた。岡本さんは、電話で話を聞いてから実際に会いに行ってみた。
■大人しい子猫、がんもちゃん
子猫たちは6匹兄弟で、女の子が2匹いた。岡田さんは、翔太郎くんがオスなので、メスの子猫がほしいと思っていた。
「この時、翔太郎は7歳のシニア猫だったのですが、シニアの男の子には女の子の子猫だと何かに書いてあったのです。翔太郎は人見知りが激しいので、多頭飼いするのは難しいと思っていました。他の猫のことも拒むだろう、よかれと思って新しい猫を飼っても、かえってつらい思いをさせてしまうのではないかと思っていたんです。でも、意外と大丈夫でした」
岡田さんのご主人は、直感的にがんもちゃんがいいと思った。がんもちゃんは大人しかったので、同じように大人しい翔太郎くんに合うと思ったのだ。
がんもちゃんは、生後3カ月くらい。猫とずっと一緒に暮らしてきたので、猫には慣れているということだった。岡田さん夫妻は、がんもちゃんなら大丈夫だろうと思った。
■2匹の強い絆
2018年9月にやってきたがんもちゃん。いざ翔太郎くんと対面すると、がんもちゃんのほうが体を大きくしてシャーシャー言って威嚇した。そんながんもちゃんを、翔太郎くんはじっと見つめていた。気になることは気になるようで、ずっとがんもちゃんの後を追って、何をするのか興味深そうに見ていた。
岡田さんは、がんもちゃんをケージに入れて、徐々に翔太郎くんと会う時間を増やしていった。1カ月後くらいにケージから出してフリーにしたら、ずっと一緒にいるわけではないが、眠る時はがんもちゃんが翔太郎くんにぴったりくっついて寝ていたという。やがて、追いかけっこもするようになった。
がんもちゃんは、最初に対面した時は大人しかったが、とても元気で活発。部屋中を走り回り、ふすまに飛び蹴りもする。
「家が壊れるかと思うほど元気なんです。ただ、心臓の持病があるので、あまり激しく長時間遊ばせないように気を付けています」
2019年7月、翔太郎くんが病気のために亡くなると、がんもちゃんは翔太郎くんの亡骸に向かって「起きろ」とシャーシャー怒っていた。翔太郎くんが動かないことが分かると、顔を見つめてから寂しそうによそに行ったが、火葬後、翔太郎くんの姿がなくなると、しばらく部屋の中を探していた。一日中ずっと一緒にいたので、2匹の間には強い絆が生まれたようだった。