大阪泉州夏祭りに過去最高の9万6000人!そのワケは?…花火、盆踊り、音楽フェスに何でもあり!
今年で3回目を迎えた「大阪泉州夏祭り」は8月24、25日の2日間、大阪・泉南タルイサザンビーチを舞台に開催された。2万5000発の花火大会をはじめ、音楽フェスやグルメ、盆踊りなど、幅広いコンテンツが同時に楽しめる複合型野外イベントとして大盛況。今年は過去最高の9万6000人を動員し、すっかり夏の風物詩として定着した印象だ。人気の裏側に迫った。
花火には不思議と人を引きつける魅力があるようだ。イベント最大の見どころ「泉州光と音の夢花火」は昨年の2万発から今年は2万5000発へとパワーアップした。これも協賛企業のおかげだが、ロマンチックな演出にしたのも大きかった。
”夢花火”と題しているように自身が選んだ楽曲が花火ととともに打ち上がる仕掛け。実行委員の1人は「打ち上げの際に流れる楽曲を協賛金とともに募り、リクエストの多かった曲に合わせて花火を打ち上げることにしました。思い出の曲と花火が融合する瞬間、いままでにない感動を体験できたのでは」と話す。1曲5000円だったそうだが、プライスレスな価値があったようだ。
会場となったタルイサザンビーチは関西国際空港の南東に位置し「日本の夕陽百選」にも選ばれている絶景のロケーション。沈む夕日を砂浜から眺めていると、やがて色とりどりの花火が夜空を染めるという流れになっていた。
もちろん、音楽フェスも盛り上げに貢献した。「MUSIC CIRCUS2019」は言わずと知られた西日本最大級のビーチ音楽フェス。今年も世界のトップDJや人気アーティストが参加した。しかも今年はカジノを含む複合型リゾート(IR)の米大手「MGMリゾーツ」傘下の「日本MGMリゾーツ」が協賛。ブース内に南国をイメージした空間を提供し、音楽フェスの盛り上げにひと役買っていた。
これらに加え、全国有名店の肉料理が一度に楽しめるとして昨年も大人気だった「肉フェス」も開催。日本の夏祭りとして日本人のDNAに組み込まれている「盆踊り」の懐かしい囃しも会場を盛り上げた。
さらに、人気の理由をもうひとつ。2日間にわたるイベントという特性を生かし、今年初めてビーチキャンプを実施。友だち同士やカップル、あるいは家族でアウトドアを思い切り満喫した人も多く、軒並み好評だった。
主催者によると「大阪泉州夏祭り」のきっかけとなったのは2014年に立ち上げた音楽フェス。その際のフィナーレの演出として打ち上げた花火をみた近隣住民が感動し「また花火が見たい」と声を挙げた。その思いに応え、2017年に泉南市では13年ぶりに花火大会が復活した。
ちなみに、この大会の公式テーマソング「花火 / RYOEI」の作詞をカシアス島田として島田紳助さんがつくったことも、ちょっとした話題になった。
会場を訪れた泉佐野市の植木昌広さん(50)は「花火や噴水のショーはすばらしかったし、ファミリー層も楽しめるイベントもたくさんあった」と話し「これまで南大阪は観光面で地味でしたが、大仙古墳が世界遺産になったことだし、大きな波がやって来るのでは」と泉州エリア、りんくうエリアの発展を願っていた。
新感覚の夏祭りとして、すっかり8月の大阪の風物詩として定着。このイベントが来年以降も泉州エリア、りんくうエリアを活性化してくれそうだ。
(まいどなニュース特約・山本 智行)