動物愛護管理センターにいた子猫 一度は戻したが、募る寂しさで号泣…再び我が子に
2匹目の保護猫を迎えようとしていた世古さん夫妻。ただ、先住猫のララァちゃんのストレスにならないかということだけが心配だった。多頭飼いするのも初めてで、夫妻は一度、2匹目の猫を動物愛護管理センターに戻した。しかし、手放すと同時に寂しさが募ってきた。
■2匹目の猫
愛知県に住む世古さんは、ララァちゃんという保護猫を飼っている。ララァちゃんがそろそろ1歳になろうかという頃、「1匹でも幸せそうだけど、2匹でいたほうが楽しいんじゃないか」と、世古さんは動物愛護管理センターに里親募集中の猫を見に行った。ただ、ララァちゃんは、離れて暮らす兄弟猫と久しぶりに対面した時、シャーっと怒ったことがあるので、奥さんはストレスになるのではないかと心配していた。
岡崎市の動物愛護管理センターは、できるだけ殺処分をしない方針で、閉鎖的ではなくオープンな感じで、公園がある敷地の一角にあるのも好感が持てた。里親募集中の保護猫のWebページを見ると、5匹の兄弟猫のうち、とらまるくん(今の名前:レオンくん)だけが残っていた。生後2カ月半。ご主人は、とらまるくんがいいなと思った。
「ララァが白っぽい女の子の猫だったので、白以外の男の子がいいなと思っていたんです。最終的には実際に見てみないと分からないし、会いに行くことにしました」
■人に懐かない子猫が甘えてきた
動物愛護管理センターに足を運ぶと、別の家族がレオン君を抱っこしていた。レオンくんは嫌がって身もだえしていた。
「その家族は、白い猫がいいと言いながらレオンを抱っこしていて、『だったら、なんで抱っこしているんだよ。そんな遊び半分の気持ちで。その家族にもらってほしくない』と思いました」
レオンくんは、3畳くらいのガラス張りの猫舎に入っていて、もう1匹の猫に追い回されて縮こまっていた。
そんなレオン君を見たご主人は、レオン君を抱っこさせてもらった。人に懐かないから残っているということだったが、ご主人には抱っこさせてくれて、甘えてきた。
2016年8月、夫妻は一週間のトライアルを始めることにした。
■一度は手放してみたけれど
案の定、ララァちゃんとレオンくんは仲良くなれず、ララァちゃんは、2階の物陰に隠れて降りてこなくなってしまった。
「妻が、やっぱりララァのことが心配だ、受け入れられないんじゃないかと言い出したんです。2日間くらい、そのまま続けていたんですが、仲良くなれそうになかったので、私たちは動物愛護管理センターにレオンを返すことにしました」
世古さんは、レオンくんのために用意していたおもちゃなども全部動物愛護管理センターの人に渡した。「飼ってあげたいけど、飼ってあげられないと号泣しました」
ただ、いざいなくなると寂しさが押し寄せてきた。
「動物愛護管理センターに電話をしたら、まだ譲渡されていないということだったので、ケージを用意してレオンを迎えることにしたんです。今度は2匹が一緒にいられるまで1年かかっても2年かかってもいいと覚悟していました」
最初、レオンくんをケージに入れて、少しずつ慣らしていったら、今度はララァちゃんも受け入れてくれた。
レオンくんは、ララァちゃんに近づいたり、ララァちゃんが寝ているとそばに行ったりしたがる。ただ、ララァちゃんは、あまり激しく絡まれるとギャーっと怒る。来客があると仲良くなって、それ以外の時はつかず離れずという不思議な関係が続いている。